第二章
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「あいつが勝手にやってる、しかしな」
「それでもですね」
「二回も投げてきました」
「今度やったら」
「その時は」
「今も充分以上に許せねえ」
大沢の顔は憤怒になっていた、そのうえでの言葉だった。
「だがそれでもな」
「今はですね」
「何とか抑えますか」
「そうされますか」
「そうそう手をあげるものじゃねえ」
多くの喧嘩をしてきただけにだ、大沢はこのことをよくわかっていた。それでコーチ達にもこう言ったのだ。
「絶対にな、だがな」
「今でもですよね」
「監督としては」
「どうしても許せない」
「選手達への行為は」
「選手を守るのが監督だろ」
大沢の信念の一つだ、監督ならばそうしなければならないというのだ。
「それでな」
「目の前でああされては」
「今は何とか我慢出来ても」
「その我慢もですね」
「最初で限界にきてた」
「そうですね」
「ああ、とことんふざけた奴だ」
大沢は先程以上に怒りを露わにしていた、そのうえでの言葉だ。
「仏の顔もなんて言わねえぞ」
「今が限界ですね」
「またやったら」
「その時は」
「御前等は出るな」
コーチ達はというのだ。
「こうした時もわかるな」
「監督がですか」
「出られるんですか」
「俺達じゃなくて」
「俺は監督だ」
だからだというのだ。
「責任を取るのも監督だな」
「だからこうした時もですか」
「監督が出られる」
「そうされますか」
「ああ、俺が出て俺が責任を取る」
監督である大沢自らがというのだ。
「だから御前等は出るな、それも俺が責任取ったら御前等がいないとな」
「その時はですね」
「俺達でチームをやっていく」
「そうしないと駄目だからですか」
「御前等は出るな」
大沢が責任を取った時を考えてというのだ。
「わかったな」
「監督がそこまで言われるなら」
「俺達もそうします」
「そんなことにならないといいですが」
「若しなった時は」
「ああ、頼むな」
チームをと言ってだ、大沢はマウンドにいる武村を睨みつけていた。大沢は今度何があればと身構えていた。
そして武村はまたやった、するとその瞬間にだった。
大沢はマウンドに突進し武村に向かった、すると最初に死球を受けていたウィリアムスもベンチから出て乱闘に加わった。
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