第二章
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「国や地域によって色々違うにしろびっくりだ」
「全くですね」
「売ってるものは普通なんですがね」
「インドの有名なものをどんどん売っている」
「そうしているだけですが」
「そう言われるとはな、では今日は日本のお客さんと話だ」
仕事の話もする彼だった。
「何をどう売るかの話だ」
「さて、何を売って儲けるか」
「そのことに頭使いましょう」
「頭の後は身体ですね」
「ものを仕入れて運んで」
「そうしてですね」
「儲けるぞ」
商人としてだ、スワラーディは意気込みを顔に出してそのうえで日本人と商いの話をした。その彼にある日欧州のフランスから一人の商人が来て商談を持ちかけてきた。その商談はというと。
「胡椒ですか」
「そう、欧州ではとかく寒冷で胡椒というものがありませんで」
人間の商人はこうスワラーディに話した。
「それでインドからいつも仕入れていますが今回は特別な胡椒が欲しいのです」
「特別な、ですか」
「はい、このインドの中でも」
「特別な胡椒を」
「何でも魔法の様に美味い胡椒があるとか」
「ああ、アッサムの胡椒ですね」
すぐだ、スワラーディはその胡椒が何処の胡椒かを察して言った。
「あそこの胡椒ですね」
「アッサムの胡椒ですか」
「はい、あそこの胡椒は絶品で」
それでというのだ。
「あれで味付けをした料理はです」
「最高の味になると聞いていまして」
「それで欲しいのですね」
「はい、実は我が国の主が大の美食家で」
「確か神星の方だとか」
「そうなのです、美食家であり」
そしてというのだ。
「その胡椒のお話を聞きまして」
「食べてみたいと言われて」
「それで私はここまで来ました」
フランスからはるばるインドまでというのだ。
「是非にと思いまして」
「そうですか、では」
「はい、そのアッサムの胡椒はあるでしょうか」
スワラーディに真剣な顔で尋ねた。
「こちらのお店に」
「あります」
スワラーディはフランスの商人に満面の笑みで答えた。
「アッサムは実はこのカルカッタと近く」
「そうだったのですか」
「ご存知なかったのですか」
「いや、実はインドに来たのははじめてで」
「そうだったのですか」
「普段はイタリア相手の商売をしています」
フランスの商人は彼の普段の商いのことも話した。
「それでなんです」
「インドに来られたのははじめてで」
「はい、アッサムのこともです」
「ご存知なかったのですか」
「何処にあるかも」
「そうでしたか、ですが」
スワラーディはあらためて彼に話した。
「先程申し上げた通りです」
「このカルカッタはアッサムに近く」
「アッサムの胡椒も容易に手に入ります」
「そしてですか」
「このお店にもあります」
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