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恋人のいる時間
第二章

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「そうしたものだから」
「だからなの」
「そう、あんたがどう返事してもね」
「連れて行くつもりだったの」
「そうだったのよ、じゃあ今日ね」
 こう私に言った、そして私は友人達と一緒に放課後駅前のカラオケボックスに行った。そこに行くと何と同じ高校の陸上部の面々がいた、その彼等がいてだった。
 私達にだ、笑顔でこう言ってきた。
「よし、じゃあはじめるか」
「合コンやろうぜ」
「彼女いない奴は頑張れよ」
「彼氏がいない娘もな」
「つまりあんたよ」 
 友達は私に笑顔で言ってきた。
「あんた頑張りなさいよ」
「いいわね」
「絶対にあんたに来るからね」
「その中からいい相手探しなさい」
「彼女いる相手は声かけるなって言っておいたしね」
「それを破る子はここにはいないから安心しなさい」
 そうしたことも言ってきてだ、そのうえで。
 私は合コンの中でバスケ部の子達と歌って飲んで食べながら話をしてだ、その中のうちの背が高いけれど大人しい感じの彼女がいないことだ。
 一緒になってだ、付き合う様になって。
 そしてだ、デートをしたり遊んだりお喋りをしていると自然にだ。友達と同じ様に遊んでもだった。
「違うわね」
「そうでしょ」
「全然違うでしょ」
「ええ」
 そうだとだ、同じクラスの友達に体育の授業中に話した。体育館の壁に背中をもたれかけさせたうえで三角座りをしながら。
「何かね」
「そうそう、これがね」
「同じことをしてもなのよ」
「彼氏とは違うのよ」
「友達とはね」
「不思議よね」
 私は体操服の黒い半ズボンの裾のところをなおしつつ言った。
「一緒にアイス買って食べても」
「それ普通にやるけれどね」
「私達同士でもね」
「何でもなくね」
「そうするけれどね」
「彼氏と一緒に買って食べたら」
 その同じことでもだ。
「別の楽しさがあるのよね」
「そうでしょ」
「何か甘えたりいちゃいちゃしたくなってね」
「自然とね」
「嬉しい気持ちにもなるのよね」
「そうね、不思議よ」 
 この感覚の違いがだ。
「一緒に登校したり下校してもね」
「友達と一緒にそうするのとはね」
「また違うのよね」
「これがね」
「そうなのよね」
「ええ、本当に違ってて」
 それがどうしてかは目に見えない、それでも言えることだ。感覚でそうしたことが感じられると言うべきだろうか。
「そしてその違う感覚がね」
「いいでしょ」
「彼氏と一緒にいるその時間が」
「楽しいでしょ」
「何かと」
「ええ、一緒にいてね」
 本当にそうしているとだ。
「楽しいわ」
「じゃあそろそろね」
「キスしたら?」
「まずはね」
「そうしたら?」
「いや、キスは」
 それはだった。
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