第一章
[2]次話
恋人のいる時間
私は今一人だ、友達は結構いるけれど彼氏がいない。それで一人だと自分では思っている。
その私に友人達はいつも言ってくる。
「あんたもね」
「彼氏作ったら?」
「高校生だし」
「恋愛経験してもいい頃でしょ」
「いや、高校生じゃないと彼氏いないと駄目じゃないでしょ」
私はクラスで彼女達に答えた、お昼に一緒にお弁当を食べながら。
「別に」
「それはそうだけれどね」
「けれど私達皆彼氏いるし」
「だったらね」
「あんたもね」
「そろそろって思って」
「そんなにいいの?」
私は皆にどうかという顔で聞き返した。
「彼氏がいて」
「いいわよ」
「確かに友達もいいけれどね」
「彼氏がいることもね」
「いいわよ」
「そうなの。今のところね」
私は自分の今の考えを話した、お母さんが作ってくれたそのお弁当を美味しく食べながら。
「別にいいわよ」
「まあそう言わずに」
「あんた結構顔奇麗だしね」
「性格もさばさばして面倒見もいいし」
「作ろうって思えばね」
「いい相手が出来るわよ」
「何なら紹介してあげるわよ」
中にはこんなことを言う娘もいた。
「だからね」
「紹介してくれるの?」
「そうよ」
こう私に言ってきた。
「何ならね」
「そうなの」
「それでどうかしら」
「あんたが紹介してくれたその人と」
「付き合ってみたら?」
強引に言ってきた。
「それじゃあ」
「ちょっと考えさせて」
いきなり言われたのでだ、私は彼女にどうかという顔で返した。
「それは」
「じゃあね」
「うん、それじゃあ」
こうして私は少し考える時間を貰った、それで実際に考えてみたけれど正直皆がそこまで言うのならと思ってた。
三日後紹介すると言った娘にだ、こう返事した。
「お願いするわ」
「よし、乗ってくれるのね」
「ええ」
そうだとだ、私は彼女に答えた。
「そうさせてもらうわ」
「それじゃあ今日の放課後カラオケボックスでね」
そこでというのだ。
「紹介するから」
「今日なの」
「元々今日無理にでも連れて行くつもりだったし」
「そんなつもりだったの」
「そうよ」
私に笑って言ってきた。
「驚いた?」
「強引過ぎるでしょ」
「わかってないわね、縁ってのは強引にでもよ」
それこそというのだ。
「作っていくものでその縁をね」
「活かしていくの」
「そうよ」
まさにというのだ。
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