そのさんじゅうに
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
パキンッ!
「ん?何の音だ?」
「音?」
バルコニーで真夜中のティーパーティーと洒落こんでいると、何かが割れる音がした。
「いま何かが割れる音がしたんだよ」
「何も聞こえないよ?
ご主人の聞き間違いじゃないの?」
パキンッ!
「ほらまた!」
しかし、玉藻もレミィもフランも咲夜も、誰一人として聞こえてないようだ。
パキンッ!
「んー?お前らマジで聞こえてないの?」
と聞けば全員が聞こえないと答えた。
パキンッ!
うーむ…さっきから聞こえてくるこの音は何なのだろうか…?
何かが割れたり砕けたりする音に思えるが…?
パキンッ!
しかし何が割れてるんだ?
ざっとテーブルの上のティーカップや周囲を見るが、特にヒビが入っているようには見えない…
パキンッ!
「お兄様?」
「ん?あぁ、すまん。どうやら俺の空耳らしい」
フランに声をかけられた。
どうやら考え混んでいたらしい。
「大丈夫?お兄様?私が血を吸っちゃったから?」
「心配ないよ。そこら辺はパチュリーのお墨付きだからね」
だけれど、次の瞬間。
パキッ!
その音と共に、意識が暗転した。
『こんにちは?こんばんは?おはよう?
あぁ、もうおはこんばんちわでいいか』
暗い暗い虚無の中に、ソレはいた。
「誰だお前?」
『さぁ?誰だろう?』
目の前のソレに問うと、はぐらかされた。
「つかお前何その姿?」
その姿は不鮮明で、輪郭がはっきりしない。
『ん?これかい? まぁ、そんな事はどうでもいいじゃないか』
「良くねぇよ。夢とかでなんかぼやけてたら気になるだろーが」
『あぁ、それは同感だ。だけどね、これは夢だから仕方ないだろう?』
「おまえはなにをいっているんだ?」
『はは、やっぱりそのネタで返すか。
やはりお前はお前のままだ。
うん。満足だ』
ソレは、俺から少しずつ離れ、消えていく。
「待てやコラ」
『ヒント!俺はフェイク・オブ・フェイク。
じゃぁ、また会おうぜ、オリジナル・オブ・フェイク』
「待て!」
黒い靄のような…フェイク・オブ・フェイクと名乗った存在へ手を伸ばしたが、目の前に広がっていたのは紅魔館のフランの部屋だった。
「もう朝よ。随分と寝坊助ねオニイサマ?」
「お兄様!」
「ごっふぅっ!?」
突然フランが抱きつかれた。
「こら、いきなり抱きついたらダメでしょうフラン。
咲夜、パチェを呼んできて」
「はい」
フラン以外の
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ