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エアツェルング・フォン・ザイン
そのにじゅうはち
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チュリーの戦闘用全力攻撃を耐えたように、避けずにガードするのが俺のスタイルだ。

「そうなの?」

「おう。それに心意は手加減不可能だしなぁ…」

「心意?」

「『心ヨリイヅル意シ』すなわち『心意』。
意志の力で世界を書き換える技術だ。
だから心意を使うなら、強くイメージしなきゃいけない。
相手を斬るイメージを、撃ち抜くイメージを。
イメージが揺らげば心意の力は消滅する。
だから手加減は不可能だ」

一応、星騎士の忠誠剣と剛気功は即時展開できる。

ただし星騎士の忠誠剣は詠唱無しではその半分も力を発揮しない。

「他には無いの?妖力とか、魔力とか」

「有るには有るが、ちと苦手でな…
魔法は多少扱えるが妖力はからきしでな」

「妖精なのに?」

「妖精なのに」

今、俺が使えるのは神聖術のエレメントで作る弾幕、ALO式の魔法、心意、GGOで使っていた銃火器だ。

妖力弾やら魔力弾とかの使い方は知らん。

神聖術以外では、スペルカードを作るのは不可能。

否、作ったとしても薄すぎる。

ALOでは物理アタッカーだったので攻撃魔法は最小限だし唯一使えそうなのはレーザー(月光波)だけだ。

銃火器では線か点の攻撃しか出来ない(ショットガンを持ってないため)。

心意で弾幕を張るのは不可能。

かろうじて神聖術のエレメント大量生成で張っている状態だ。

「じゃぁシンイ見せてよ!」

「心意をか?」

「うん!」

心意を見せろ…か。

五指を揃え、抜き手の形を作る。

それを正面に向け…

「レーザーランス!」

第一段階正方向射程拡張系心意技レーザーランス。

心意の基礎中の基礎の技で、騎士長ベルクーリの十八番『心意之太刀』の劣化版である。

本来は手甲や鎧、籠手を着け、揃えた五指を剣や槍に見立てる技なので、今は少し威力が落ちている。

「それがシンイ?」

「基礎の基礎だがな」

「シンイの他には何が出来るの?」

「あー…そうさなぁ…」

スカーレット・シスターズ、召喚。

手の中二つの拳銃が現れる。

「銃ってわかるか?」

「ちっさい玉を飛ばすやつ?」

「そうそう、で、これが銃」

フランに二つを見せる。

「スカーレット・デビルとGrip&breakdown。
俺が昔使っていた銃だ。
遊びとはいえ、コイツらには随分と助けられたよ」

「スカーレット・デビル?お姉様の呼び名?」

「あー…まぁ、偶然だよ偶然」

そう言うことにしておこう。

「ふーん」

そんな風に、前世での得物やそれに関するエピソードをフランに話した。

そして…

「ねぇねぇ」


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