101部分:第十四話 騒がしい中学生その六
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第十四話 騒がしい中学生その六
「確か」
「一応な。とんでもなく大きくてびっくりしたけれどな」
「まあ確かに大きいな」
それは皆言います。普通のお寺や神社とは比較にならないです。奈良にはかなり大きなお寺や神社も多いんであまり目立たないかもですが。
「歩くだけでも大変だったよ」
「参拝している人達はどうだった?」
「それも驚いたな」
あの子にとっては驚くことばかりみたいです。最初の方は皆こう仰います。
「熱心に参拝しているよな。僕の周りってそういうのないからな」
「宗教関係とは無縁なんだな」
「ああ、全然」
そういう人も多いですよね。私は教会の娘なんでそれこそ生まれた時から縁があるんですけれど多分そうした人は少ないと思います。
「だからここに来てびっくりしたんだよ」
「そうか。そんなにか」
「だってよ。街の人が皆はっぴ着てるし」
天理教の黒いはっぴですね。おぢばでは皆着ています。私達も外出の時はそれを着ていつも外出です。それで何処の人かもわかります。
「すげえよなあ、ここは」
「御前の食欲と胃袋もそうだがな」
これはあの子に同意です。心の中で頷きながら聞いていました。
「ただ。いい街だよな」
「気に入ったか?」
「落ち着いた雰囲気だし優しい感じだしな」
それがわかるなんて。中々筋がいい子なのかしら、とも思いました。言葉に出すことはできはしませんでしたけれど。黙って聞くだけです。
「また来るぜ」
「天理高校に入ったら毎日だぜ」
「ああ、それいいな」
何か話が妙な方向にいっています。
「奇麗な人も多いしな」
「そうか?」
相方の子はそれには違和感を見せてきました。
「あまりそうは」
「女の人は顔だけじゃないんだよ」
急に大人な発言になりました。
「心だよ。まずはそれだよ」
「まあ優しい人は多いよな」
「だからいいんだよ」
見ているところは見ているんでしょうか。彼の話を聞きながら考えます。
「優しい年上の先輩の彼女なんてかなりいいじゃないか」
「御前・・・・・・」
相方の子は今の発言にかなり引いていました。それが私の目にもはっきりと見えます。私はそれを聞いても何も思いませんでhしたけれど。
「年上がタイプだったのか」
「僕長男でお姉さんとかいないし」
何かそこは私と同じかも。
「だからそういう人に憧れるんだ」
「そうだったのか」
「そうなんだよ。まあ優しくて奇麗な人だったら誰でもいいんだけれど」
「第一条件は優しいことか」
「顔はその次だよ」
どうやら結構見ているところは見ている子みたいです。私もそうありたいと話を聞きながら心の中で思ったりします。外見は軽い感じの子なのに。
「まずは心。僕は顔に関しては守備範囲広いし」
「広いのか」
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