そのにじゅうろく
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「おーい!霊夢ー!いるかー?」
寺子屋が午前で終わったので、博麗神社に来た。
玉藻は人里をぶらついている。
「はーい!って、寺子屋の妖精講師じゃない。
どうしたのよ?」
「少し用事があってな」
「用事ですって?」
「うん、霊夢。少し…
キスさせろ」
「は?」
霊夢はポカンとした顔をしている。
しかしそれだけだ。
周りでは何も起こらない。
「うーん…やはりダメか…」
こう言えば八雲紫を誘き出せると踏んだのだがなぁ…
うーむ…どうすべきか…
何故俺がこんな事をしているかと言えば、先日八雲紫に頭の中を覗かれた(らしい)からだ。
どこまで覗いたのか、どこまで知ったのかを知り、口止めするのが目的だ。
八雲紫を誘き出す為には霊夢とキスしようとするのが一番なのだが…
流石に本当にキスする訳にはいかんからなぁ…
そう思っていると、霊夢がフリーズから回復した。
「あ、あ、アンタ何言ってるのよ!?」
「あぁ、ゴメンゴメン、別に本当にキスしたい訳じゃないよ?
ただ少し八雲紫を…」
「だったら何?私をからかった訳!?」
「いや、だから八雲紫をね…」
「やってやろうじゃないの!私をバカにした報いは受けて貰うわよ!」
あ、ダメだ話聞いてないわコイツ。
霊夢がフワリと浮き上がり、臨戦体勢を取る。
「あー…なるほど弾幕ごっこかぁ…」
平和だなぁ…
「いいぜ、乗ってやるよ。
まぁ、霊夢からすれば俺に乗せられたような物だろうがな…」
背中から翅を伸ばし、宙に浮く。
「戦うのは何気に初めてか…
見せて貰おうか、博麗の巫女の力とやらを!」
結果、負けました。
「ふん!どうよこの変態教師!」
「難しいなぁ…」
何が難しいって手加減が難しい。
殺し合いなら霊夢"ごとき"瞬殺できる。
夢想転生なんて関係ない。
理から浮こうとも、攻撃が当たるという理を押し通す。
それが心意。
例え位相をずらしても逃げる事は不可能だ。
しかし弾幕ごっこは殺し合いではない。
人と妖怪が対等に渡り合う為に作られた試合形式の闘い。
殺すのは御法度なのだ。
更に言えば『絶対当たる攻撃』も禁止。
心意の特性上、中途半端は不可能なのだ。
「あー…霊夢、弁明させてほしい。
俺はお前にキスをしたいと言ったがあれは八雲紫を呼び出したかったからだ」
「……………………最初からそう言いなさいよっ!」
「言おうとしたらお前が構えたんだろうが!」
「アンタがバカな事言うからよ!」
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