そのにじゅうご
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「ザイン、起きなさいザイン、玉藻も起きて」
「あぁ、お早う。アリス」
「うー…お早うございますアリスさん」
目が覚めると、やはりアリスの抱き枕にされていた。
「早く着替えてらっしゃい」
「ふぁい」
「ふにぃ…わかりましたぁ…」
そして何時も通り寝間着から普段着に着替える。
今日は寺子屋が休みなので、アリスから人形について教えてもらう。
「じゃぁ、今日は前回に引き続いて人形に仕込むギミックを教えるわ」
服を着替え、アトリエに向かうとアリスが作業台の椅子に座っていた。
普通の人間ならば、朝食を取るのだが、アリスは魔女だし、俺は妖精だし、玉藻は式神だ。
俺とアリスは空間から力を、玉藻は俺から力を吸収するので食事は基本取らない。
「ザイン」
「はいはい」
机に座るアリスの、膝の上に座る。
「やっぱり軽いわねぇアナタ…食べた方がいいのかしら?」
「いらんよ。つーかさ、なんで膝の上な訳?」
「だって作業台は一つしか無いじゃない」
なお、この時玉藻は屋根の上で日向ぼっこしている。
「まぁ、いいや、で、今日はどのギミックを教えてくれるんだ?」
出雲と伊勢には、かなりの空きスペースがある。
今は教わったギミックを一つづつ組み込んでいる。
「そうね、なら今日は…」
目の前に上海が現れる。
「これにしましょう」
ジャキン!と音を発て展開されたのはニードルだった。
上海の両足の脹ら脛部分から踵より少し先まで伸びるニードル。
「なるほど…」
「ではまず…………………」
「今日はこの辺にしときましょう」
午後三時、仕込んだギミックの動作確認を終えた。
アトリエからリビングに場所を移し、テーブルに紅茶とクッキーを置く。
「それで、今日はどんな話をしてくれるのかしら?」
アリスが俺に人形を教える代わりに、俺はアリスに冒険の話をする。
「そうさなぁ…なら今日は……文明が一度滅んだ後の話をしよう」
そういう契約だ。
「その世界で、人間は憎み合い、争い、遂には星をも滅ぼした。
人間は新天地を求め、星々の世界へ旅立った。
しかし、母なる星を捨てられず、数十、数百の年月を掛けて、帰って来た者達もいた。
これは疾風と硝煙の話。
滅んだ世界を生きる、人間の話だ…」
GGOでのキリトとシノンの、俺とカトラスとショウの冒険の話をする。
途中で玉藻も戻ってきて、狐の姿でテーブルに寝転がり、一緒に聞いていた。
「ねぇ、ザイン」
「どうしたアリス?」
「その御話、本にはしないの?」
「本…?」
「貴方の冒険の話、とても
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ