そのにじゅうご
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るから」
言われたとおり椅子に座る。
椅子に座った俺と膝立のアリスの目線がほぼ同じという所で、改めて自分が妖精になったんだなと思った。
「ザイン」
「んだよ?」
「私に背中を流して貰ってるって里の男に知られたらどうなるかしらね?」
「さぁ?反撃した俺が霊夢あたりに退治されて終わりじゃね?」
「あら?負けるの?」
「殺し合いなら十中八九俺が勝つ。
だが弾幕ごっこは殺し合いじゃない。
それに霊夢に負けておけば警戒されないだろ」
「ご主人!私の尻尾洗ってください!」
ん?尻尾?
「おう、いいぞ」
ボディーソープを出して、玉藻の尻尾を洗う。
「あっ…ふぁっ…そこ…」
「悩ましい声を出すな」
「だってご主人の手が気持ちいいんだもん」
「そうかよ」
「なに?ザインったら興奮してるの?」
「断じてしてない!」
「あらそう?でもココは…」
「やめろやめろ!R-18タグ付いてねぇんだぞ!」
「それもそうね」
「ご主人?」
「何でもねぇよ…」
いつもとは違う、賑やかなバスルーム、案外悪くないかもしれない。
風呂から上がって、寝間着に着替える。
「ザイン」
「なんだよ?」
「歯を磨いてあげましょうか?」
「は?」
「この前妖怪の賢者が言ってたのよ。
他人に歯を磨かれると快感が生じるって」
「ヤメロ、どこぞのエロ奴隷じゃあるまいし」
ん?あれ?おかしくないか?
現在は2003年…
物語シリーズは発売されていないはずでは…?
「あぁ、アナタの頭の中を覗いたそうよ」
「今度あのBBAぶっとばす」
取り合えず明日博麗神社に行こう。
隙あらば俺から歯ブラシを奪おうとするアリスを警戒しながら歯を磨いた。
「さ、寝ましょうか」
「そだな」
「はい、アリスさん」
歯を磨いたら、直ぐに寝る。
幻想郷では太陽と共に生活するのだ。
魔法を使えば外と同じようなリズムで生活できるが、周りと時間が狂うのでしないらしい。
ベッドでは、玉藻、俺、アリスの順で寝ている。
俺が玉藻を抱き枕にしてアリスが俺を抱き枕にする。
俺と玉藻が抱き合って寝てると、玉藻の尻尾が邪魔になるのでこの順番である。
「お休みなさい、ザイン、玉藻」
「お休み…」
「お休みですアリスさん…」
変わり果て、人間ではなくなった俺を受け入れてくれる人が居る。
幻想郷でなら、俺は悠久を生きていけるかもしれない。
それが叶わずとも、幻想郷に骨を埋められるなら、それは幸せかもしれない。
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