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エアツェルング・フォン・ザイン
そのにじゅう
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「ちょっと!汚いじゃないの!」

それを俺は…

「あひゃひゃひゃ!ひゃーひゃっひゃっひゃ!」

悪役みたいな笑い方で爆笑しながら見ていた。

このまま粗相コールしてもよかったけど、たぶん誰も知らないだろう。

「けほっ!けほっ!…なんで…口に入れた途端に…?」

「はっはっはっはっは!くく…正確には瓶から出た瞬間だぞ魔理沙。
その瓶は面白い仕組みが在ってな、瓶の中から匂いを漏らさないのさ」

「なん…らよっ…それ…」

ありゃ?

「ちょっと魔理沙?大丈夫?」

「あーあ…ウィスキーをイッキなんてするから…」

アルゴと話した内容を思い出す。




『そうダ、トー坊はこの酒の度数って知ってるカ?』

『度数?コード外さない限り0だろ』

『違う違ウ、味だよ味。このアルコールの感じ…何度だと思ウ?』

『さぁな、でもトパーズ・<ウィスキー>だろ?だったらそうだな…35くらいか?
確か親父の持ってた漫画にそんな事が描いてあったと思うが…』

『残念、正解は60度前半ダ』

『嘘だろ?消毒用アルコールくらいあるじゃないか』

『本来のウィスキーはそれくらいダ。
ま、仮想世界だからナ。スピリタスを呑もうとそうそう酔わないだろうナ』




まぁ…酔うよな…

あれ?なら俺は何で酔わなかったんだ?

妖精になったから?

まぁ、いいか。

「れいむぅ〜」

「あ、ちょ!こら!抱きつくな暑苦しい!」

おー、生レイマリ来たぞコレ。

「アリスも混ざれば?」

「バカな事言わないで。あと魔理沙になんて物飲ませたのよ?魔理沙は一応人間なのよ?」

「んー?大丈夫だろ」

俺は自分のグラスを傾ける。

血のように紅い液体が口に流れ込み…

「うん、美味しい」

紅魔館で出されたワインは絶品だった。

親父の持ってた漫画みたいな言葉は出ないけど、それでもこのワインが美味しい事に変わりは無い。

「アリスも呑めよ、このワイン絶品だぞ」

そしてアリスもワインに口を付け…

「そうね」

もちっと笑えよ…

「おぉ〜い…アリスぅ…」

「あ!ちょっ!くっつかないで!」

酒宴はまだ始まったばかりだ。
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