そのじゅうはち
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「くっ…!何故貴方なんかと…!」
俺の後ろから憎々しげに呪詛を垂れるのは件の居眠り門番だ。
「しょうがないだろ、お嬢様(笑)の命令なんだから…」
「はぁ……はぁ!」
ヒュッ!ガキィ!
突然放たれた拳を受け止める。
「俺だっていつ攻撃が来るかわからない散歩なんて真っ平ゴメンなんだよな…」
「ふんふんふ〜」
フランは俺達の応酬なんて気付かず日傘さしてスキップしてるし…
先が思いやられる…
「なぁ…居眠り門番」
「なんですかロリコンショタ野郎」
俺は隣を歩く玉藻を抱き上げ…
「玉藻よろしく」
と渡す、美鈴は案外素直に受け取った。
「もふもふ…」
うん、美鈴もバッチしもふもふに魅了されたな…
コレで安心だ。
「ご〜しゅ〜じ〜ん〜?」
うぐぅ…
「いやいや、しょうがないじゃん。剛気功って疲れるからね?」
一応心意だからな?
「もふもふ…もふもふ…ペットは飼い主に似ると言うのはデマですね…」
と、かなり失礼な事を言いながら玉藻をもふる美鈴。
「ムッ!?」
シュッ! ギャァァァァァァァァ!
ん?何か聞こえなかったかって?
しらないなー
フランが妖力を隠せてないことなんてしらないなー
フランの妖力に野良妖怪が集まって来てるなんてしらないなー
野良妖怪が心意之剣で絶命したことなんてしらないなー
つか美鈴よ、お前も気付けよ…
「おい居眠り門番、お前アホなのか?」
「何がですか?さっきから付けてくる野良妖怪ですか?」
「気付いてるなら対応しろよ!」
「私のレンジは短いですからねー。
妹様から離れるくらいなら貴方にやらせますよ」
俺を使いやがって…
まぁ、でも、認められてると思っていいんだろうな。
落書きの件はともかく戦闘力だけは…
「勘違いしないでください。私は妹様の護衛です。
妹様の近くを離れないのは当たり前、決して貴方を認めた訳じゃないです」
うーん…ガチなのかツンデレなのかわからんな…
まぁ、いいか。どのみちフランに野良妖怪を近付けさせはしない。
美鈴が攻撃してこなくなった分楽だな。
「お兄様!めーりーん!早く行こー!」
おっと、お姫様の催促だ。
「まぁ待て待て、せっかく外に出たんだ、ゆっくり行こうじゃないか」
「うん!」
フランはこちらに駆け寄って来て俺の手を握った。
「ロリコンショタ野郎……」
「居眠り門番……」
俺と美鈴の間で火花が散る?
「どうしたの?」
「「いや、なんでもないぞ(ですよ)フラン(妹様)」」
フランに尋ねられた俺達の声がシンクロした
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