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ゲート自衛隊 超化学提督物語
プロローグ
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おうと考えていた。伊丹にしても流石に国家予算数か月分も金がかかると聞いて直ぐに元の時代に帰る事を諦めた。元の時代にいる嫁さんには悪いが、流石に銀河系9割以上の勢力規模を誇る星間国家を相手にしてまで元の時代に帰るとは伊丹に言えなかった。帰還を直ぐに諦めた事を聞いて銀河連邦政府も一安心した。だが、どこから流れた情報かは知らないが、伊丹の素性がマスコミ経由で銀河連邦の国民にばれてしまった。

「伊丹洋司を元の時代に返せ!」

「政府は人道に反している!」

このように政府批判が増加した。だが当初は伊丹の現状流れても多少ネットで叩かれたくらいで大した騒ぎにならなかったが、現在の銀河連邦政府を運営している民主党と犬猿の仲とされる共和党が民主党批判を行った事により、更に一部の共和党の政治家が共和党支持者に対して多額の援助を行い、大規模なデモにまで発展させてしまった。流石にこれには民主党も度肝抜かれたが、一番驚いたのは共和党上層部であった。確かに伊丹の問題を民主党がなかった事に対して批判をしようとしたが、いくら何でも共和党支持者の国民に隠す気もゼロな程にデモ活動を大規模にやった事にたいして流石に焦ったのである。

隠す気もなく当然のようにデモ活動の多額の資金提供者が共和党と分かった時に、共和党上層部もマスコミに叩かれた。

「民主党の支持率を下げる為に共和党支持者に多額の賄賂を渡してデモを煽った」

このように言われてデモに参加してない国民や民主党支持のマスコミから露骨なまでに批判された。そして今回の騒動は民主党や共和党双方にとって頭を悩める問題に発展した。今の両党の心情を表すなら「余計な事をしやがって」というのが本音であった。こうして双方にとって頭が痛い問題があり、急遽伊丹を元に時代に返す事が決定した。ワープそのものは星系の行き来に対してさほど問題はないが、並行世界の移動となると流石の超技術を持つ銀河連邦でも手を焼いた。同じことを説明するが、時空の流れはワープで星系を行き来するより大変危険であり、かつて無人機を使って並行世界や過去の世界にタイムワープの実験を行った結果は無人機バラバラとなって時空の狭間に飲み込まれて行方不明となった。

それでも長い年月をかけて費用は莫大だが一応、並行世界や過去世界に対して人間が行き来する事ができるワープ装置の開発は成功した。しかし並行世界や過去世界に進出することは、歴史改変や別世界に対する問題をこちら側が抱える事になりかねないため、ただでさえ現在の勢力圏でも持て余し気味なのに別世界に対する問題まで抱えたくないというのが銀河連邦政府の本音であった。実際に伊丹を元の世界に返すと絶対に過去の地球勢力がこちらに関わるために、出来れば並行世界の地球の問題は抱えたくないため伊丹を元の時代に返す事に反対していた。


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