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エアツェルング・フォン・ザイン
そのじゅうよん
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いた大穴とは、その人の希望の源でもある。

「だって!あの力は全てを壊しちゃうの!」

「受け入れろよ!アレはお前だろうが!お前がお前を否定するなよ!」

自己否定、自己批判ではなく自己否定。

読んで字のごとく自らを否定する行為。

自らを殺す行為。

「お前以外に!誰がお前を肯定するんだよ!
お前に否定されたお前は!自分自身に否定されたお前はどうなるんだよ!」

「あの力は全部壊しちゃうんだ!それをどう肯定するのさ!?」

「受け入れろ!それが自分だと受け入れろよ!」

「!」

「闇を受け入れろ!抱き抱えろ!そしてお前が光になれ!そうすれば!どこから見ても影も闇もない!」

「うけ…いれ…る…」

「そうだ!闇に呑まれるな!闇を呑み込め!」

「わたし…が…光…に…」

「やってみろ…お前なら、できる」

フランドールを降ろす。

彼女は闇に近付いた。

「私を…受け入れる…」

彼女は闇を、抱き抱える。

「私を肯定…する…」

やがて、フランドールの抱えていた闇にヒビが入って行った。

最後にガシャンと音を発てて弾けとんだ。

そこから、もう一人、フランドールが現れた。

「あなたが…わたし?」

「そう、わたしはあなた」

「わたしは…あなた…」

フランドールはもう一人と互いに手を合わせる。

「今まで、ずっと否定してきた。
こんなわたしをあなたは許してくれる?」

「わたしはあなた、あなたは私。だから、許すわ」

「ありがとう……私」

その言葉をトリガーに、二人はまばゆい光に包まれた。

目の眩むような眩い光。

だけど、暖かい光だ。

光が収まると、そこには、フランドールが一人で立っていた。

「ザイン…ありがとう」

彼女は振り返り、そう言った。

「俺は何もしていない。自分自身を受け入れたのは、お前だ、フランドール」

彼女駆け寄って来て、俺に抱きついた。

「っとと…危ないじゃないか」

「えへへー…ザイン…ありがとう…」

「全部、お前がやった事さ…」

数分後、俺はフランドールの頭を撫でていた。

「ねぇ…ザイン…」

「どうした?フランドール?」

「私の事…フランって呼んで?」

ふむ…それくらいならば。

「ああ、わかった。フラン」

「えへへー。私も、ザインの事、お兄様って読んでいい?」

うぐっ!

「あ、ああ、かまわんぞ、フラン、好きに呼ぶといい」

とか言ってるがすごくドキドキしている。

「ねぇ…お兄様…」

「な、なんだフラン?」

「眠くなってきたの…」

「ああ、いいよ」

再び、フラン
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