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エアツェルング・フォン・ザイン
そのじゅうに
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幸いここは障害物が多い。

有り難く使わせて貰おう。

俺は本棚に身を隠しながら進んでいく。

やがて中心部と思われる場所が見えた。

「けほっ!けほっ!」

「大丈夫ですかパチュリー様…」

あー…どうしようか…うーん…

無視してすり抜けるか…

「ステルス・ポジション…インビジブル…スニーキング…」

全てクリティカルUPのスキルだ。

しかしこれらがクリティカルUPである理由、つまり姿を消し、足音を消せるのだ。

「誰!そこにいるんでしょう!」

はぁ!?何故わかった!?

「私の前で魔法を使うなんて愚かにも程があるわ!けほっ!けほっ!」

え?これ魔法なの?

じゃなくて!

ヤバい!逃げろ!

俺は駆け出した、彼女等から逃げるために。

やがて大きな扉が見えた。

「よし!あそこだ!」

俺は勢いよくその扉を開けて中に入った。

「はぁ…はぁ…くそっ…まさか隠蔽スキルでバレるなんて…」

なんて皮肉だ…

入った扉を背に、進んでいく…

やがて下り階段があった。

俺はその階段を下った。

あの二人から逃げる事に必死だった。

だから気付かなかった。

否、思い出せなかった。

この館の地下に誰が居るのか…

俺はやがて一つの扉を見つけた。

ここまでは一本道。

つまりこの扉を開ける他は無い。

ガチャ…

俺はその扉を開けた。

開けて、直ぐに後悔した。

何故なら。

「貴方はだぁれ?新しいおもちゃ?」

彼女が…フランドール・スカーレットが居たからだ。
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