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エアツェルング・フォン・ザイン
そのじゅう
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「!?」

驚いたのか、彼女は俺に向かって手を向け、俺の回りに闇の刃を展開した。

ふむ…

「玉藻」

「はーい!」

玉藻が俺の合図で元の大きさに戻り、地面に伏せる。

「なんであんなことしたの?」

なんで…か…

「昔、闇の玉と戦った事があってな…それでお前さんがそれに似ていたもんだからつい反射でな…。
すまない、君に対して敵意は無いんだ」

「そう…あなた…その闇の玉に仲間を殺されたの?」

「え?」

どうして、わかったんだ?

「今のあなた、悲しそうな顔してたから」

どうやら俺はそんな顔をしていたらしい。

彼女は手を下ろし、闇の刃を霧散させた。

「いいのか?俺を攻撃しなくて?」

「別にいいわ…貴方妖精みたいだし、食べても美味しくなさそうだもの。
それに妖精を虐めてたなんて噂が立つのはごめんだわ」

理由がそれかよ…

「ねぇ…あなたの名前を教えて?」

「俺はザイン」

「ザイン…ね。私はルーミアよ」

「そうか、では俺はおいとまさせて貰うよ。玉藻を残して行く。玉藻、ルーミアを頼んだ」

「ご主人は?」

「何処へ行くのかしら?」

二人に聞かれた。

「このウザったい霧を出してるアホを懲らしめて来るのさ。
女の子を一人で置いとく訳にはいかんのでな」

「そう、頑張って」

「ああ。いつか必ず、君の言うことを一つだけきこう」

俺は玉藻とルーミアを置いて飛翔した。

玉藻を置いていった理由はルーミアの面倒を見させる為と危ないからだ。

「それにしてもルーミアって意外と大人びてたな…」

俺のイメージじゃぁ少しアホっぽいのを想像してたが…

「まぁ、とにかく紅魔館へ行こう…」

俺はこの霧を止めるべく翅を動かした。

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