ペルソナ3
2010話
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俺が言うべき事じゃないだろうが。
空間倉庫の中から毛布を取りだし、眠ってしまった天田の身体に掛けておく。
9月は、日中はまだ十分に暖かいが、夜になればそれなりに寒くなってくる。
……全力で動いた後だと考えれば、毛布では暑いかもしれないが、それでも身体を冷やして風邪を引くよりはいいだろう。
「すまなかったな、無理を言って」
天田をそのまま寝させておいて、俺は美鶴の側に行く。
美鶴は山岸の護衛としてここに残っている以上、当然のように近くには山岸がいるのだが……その山岸は、現在仲間に対して色々と細かな指示を送っていた。
バックアップ型のペルソナの本領発揮といったところか。
まぁ、バックアップしている中に恋人の有里がいるというのも大きいのだろうが。
「気にするな。天田みたいな奴が下手にシャドウと戦って力及ばず……なんて事になったら、後味悪いしな」
それ以外にも、同じ槍使いとして共感を持っているというのもある。
大昔……それこそ戦国時代とかだと、刀よりも間合いの長い槍の方がメジャーな武器だった筈なんだが、今のペルソナ世界で槍はそこまでメジャーな武器じゃない。
剣道とかは普通にあるが、槍というのは……それこそ一部の武術道場で教えているくらいじゃないか?
棍とかなら、まだ中国武術とかでもあるし、薙刀はそれなりに残ってるが……どっちも長物という意味では同じでも、結局槍じゃないしな。
「そう言ってくれると、私も助かるよ。……それで、天田の槍の腕はどうだ?」
そう尋ねてきたのは、まだ小学生の天田を心配するというのもあるが、同時に天田が戦力として使えるかどうかというのもあるのだろう。
「そうだな。槍の技術だけで言えば、そこそこ……タルタロスでも10階程度までならいけるか? ただ、天田は小学生で体力がないから、連戦はきついし。それに……」
そこで一旦言葉を切った俺は、美鶴から視線を逸らして山岸の方に……正確には山岸を自分の身体に呑み込んでいる形のルキアに視線を向ける。
「お前達はペルソナ使いだ。勿論生身での戦いを疎かにしてもいい訳じゃないが、最も重要なのは、やはりペルソナでの戦いだろう?」
そう告げると、美鶴は小さく笑みを浮かべて頷く。
「そうだな。ペルソナ能力というのは、私達にとって大きな意味を持つ。であれば、アクセルの言う事も正しいだろう」
「寧ろ天田の場合は、体力的な問題もあるから槍を鍛えるじゃなくて、ペルソナ能力の方を鍛えた方がいいかもしれないな」
そう言いながらも、俺は恐らく天田が槍を使った戦闘訓練を止める事はないだろうと、そう判断していた。
天田がペルソナ能力を身につけ、タルタロスに挑むのは、母親の復讐をする為だ。
まだその相手が荒垣だとは気
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