第八話
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「自分の為かぁ。あ、そういえば。」
「何か?」
「カイム君は何で士官学院に入ったの?ほら、カイム君ってもう軍人さんだし確か爵位も返還されたって聞いたから。」
「ああ、それですか。まず一つは周りのせいですね。」
「周り?」
「俺エレボニアに帰る前は大陸のあちこち回ってたんですよ。そんなんだから例え爵位があっても教養が無いと思われてる訳で。」
そう、カイムは確かに伯爵の爵位を再び持ってはいる。しかし直ぐには帰らずに大陸中を回っていたが故にいきなり戻った挙句皇族の身辺警護に就いたために不満が出たのだ。四大名門のように格上かつカイムの実力を知る機会のある大物はともかく同格か格下の爵位の貴族からの不平不満が五月蝿かった為に、皇帝もやむを得ず箔をつけさせる為にカイムを士官学院に入れることにしたのだ。
「そんな事があったんだ。ごめんね?嫌な事思い出させて……。」
「いいんですよ、ぽっと出がいきなり皇族の横に着けばこうなりますから。会長も宮仕えの際はお気をつけて。あいつら結構ねちっこいですよ、なんなら数倍返しで奴等に地獄を見せる方法でもご教授しましょうか?」
「あ、あはは、遠慮しておくよ。一つって事は他にもあるの?」
「ええ、二つ目はちょっとした仕事ですね。ただこれは色々あるんで追求はご勘弁を。」
そう言いながらカイムはトワに向かってウインクし笑みを浮かべながら口元に人差し指を立てた。その仕草にトワは頬を染めながらも笑いながら了承した。
「ふふ、分かったよ。」
「どうも……っと失礼。」
最後の理由を話そうとした時、カイムのARCUSが鳴り始めた。カイムはトワに了承を得て通話ボタンを押し通話を始める。
「もしもし。」
『カイムか?今何してる?』
「会長室で会長の仕事手伝った後に世間話。」
『そ、そうか。まあとりあえずそろそろ帰れないか?もう殆ど帰ってきてるし日も大分落ちてるし。』
そう言われて窓を見ると日は四分の一ほど沈んでいた。確かにこれ以上遅くなるとサラやフィー辺りがまた文句を言いそうである。
「あー、そうだな。そろそろ帰るわ。今日のお手伝いさんは?」
『アリサだな。ただまだ帰ってないんだ。』
「……ラクロス部というのはそんなに熱心なのか?」
『分からない、そっちも頼めるか?』
「あいよ、じゃ。」
電話を切ったカイムはトワの方に振り向き電話の内容を話しお茶の礼を言って生徒会室を後にした。そしてその足でラクロス部が活動しているグラウンドに向かうとアリサが一人で片付けをしていた。
「どうなってんのかねぇ……。」
そう呟き内心イラつきながらアリサの方に向かってい
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