第八話
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いていた。そんな彼に魔獣達は全力で殴りかかっているのだが……。
「振りが遅い上に単調、まあ最初ならこんなもんなんかね。もう終わらせるか。」
魔獣達はカイムにとっては期待ハズレの強さであったらしい。ラウラの時のように木の葉のようにひらりひらりと攻撃をかわした後、止めを刺すために後方に跳躍し距離を取った。そして前方に体重を掛け、一気に駆け出す。カイムが体重を前に掛けた時点で魔獣達は本能で危険を察していたが手遅れであった。
「二の型、疾風!」
後方に下がろうと後ろを向いた魔獣達を追い越し刀を振り切った状態でその視線の先にカイムは現れた。そして次の瞬間、魔獣達は苦しみながら崩れ落ち消滅していった。
「あっちももう終わるか。」
倒した事を確認するとカイムはもう一つの戦闘に目を向けた。視線の先ではリィンとガイウスがリンクを駆使し連携攻撃を行い、それで怯んだ隙にエリオットが魔獣にアーツを繰り出していた。道中で使っていた物よりも大きな氷の刃が魔獣を襲い、モロに喰らった魔獣はそのまま崩れ落ちた。
「お、終わったぁぁぁ……。」
「そうだな。お疲れ様、二人とも。」
「なんとか切り抜けられて良かった。」
それぞれ戦い終わった事に安堵している三人にカイムは近づいて声を掛けた。
「よう、終わったみたいだな。ほとんど無傷みたいだし思った以上に善戦出来たみたいだな。」
「うむ、戦術リンクの助けもあったからな。」
「そういうカイムは……聞くまでもないみたいだな。」
「息も切れてないしかすり傷すらないんだね……。」
「パワーはあるがそれだけだからな。ちゃんと攻撃の動作を見れれば楽だよ。」
「リィンとガイウスはともかく僕はちょっと厳しいかなぁ。」
暫く会話をした後、四人は辺りを見回した。扉も無ければ仕掛けも無い、完全に行き止まりであった。
「親玉倒してもなんも無い辺りここで終わりみたいだな。」
「ああ。それにしても地下の構造が完全に変わってしまうなんてな。」
「ちょっと信じられないけどね。」
「確かにそうだがこうして直に見て探索しまったからな……。」
「まあこうしていても埒があかんよ。先に進めないなら一旦戻らないか?」
「そうだな、学院長にも報告しなきゃいけないしな。」
カイムの提案に三人は頷き、四人は出口へ戻っていった。
旧校舎から出ると外は夕方に近づいており日は西の方に傾いていた。学院長への報告を済ませてあとは帰るだけだったのだが、カイムは一人生徒会館へと向かっていた。
「あんのズボラめ。こういうことになるから仕事をしておけと言ったのに。」
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