アインクラッド編
ボスの脅威
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削らないうちに1匹片付けたアスカとキリトはE隊のサポートをしているH隊が引きつけている取り巻きへと走り出す。
槍などの長物武器を装備しているプレイヤー中心で構成されているH隊は行動遅延系スキルでのボスと取り巻きの攻撃の阻害が目的のパーティーなどで、近接戦闘を行うことは難しい。
ろくにダメージを与えられていない取り巻きに向けてキリトが突進系ソードスキルを発動。背後から首筋へと当てて、タゲがこちらへと移る。
キリトとスイッチしてアスカも〈リニアー〉をたたき込む。大きく減るHP。
アスカにとって初のボス攻略は何事もなく順調に進んでいた。
それどころかアスカは現状の戦闘に今まで感じたことのない高揚感を感じていた。
今までの1人での戦闘にはなかったものを感じていた。
自分はまだまだ速く、鋭く、そして強くなれる――――。
アスカはキリトの姿を見て疑いもなくそう思えた。
ボス部屋に入ってから四十分近く経過して,遂にボスの4段あるHPバーも3つ目が無くなろうとしている。
HPバーが最後の1段になるとボスは斧とバックラーを装備解除して,背中のタルワールで攻撃をする。両手持ちの武器で威力が高く、ソードスキルも使ってくるらしいが、縦斬り中心の攻撃しかしなくなるので、盾を持たない分ダメージを与えることは容易になる。ボスを取り囲んで正面のプレイヤー以外が攻撃していればいい・・・・らしい。
これは全て攻略本に書かれていたことだが、これまで何一つ外れたことがないのだ、今更番狂わせも起きないだろう,とアスカは思っている。
アスカはキリトと共に5匹目の〈ルインコボルド・センチネル〉の相手をしていた。
今までポップした9匹の内、半数以上を2人組で片付けていた。今相手にしている5匹目のHPも残り僅かだ。あと一撃入れたら終る。
キリトがすくい上げるように迫ってきた斧槍を横切りで迎え撃つ。
凄まじい衝撃音と共に敵の斧槍は大きく右へと弾かれる。
キリトが「スイッチ!」と言うよりも早く飛び出して、アスカは右に大きく傾いている敵の鎧の隙間に〈リニアー〉を発動。狙い違わずクリティカルヒットして全損。消滅する。
もう少ししたらボスのHPバーが最後の一本になるので取り巻きもリポップするが、それまではやることがない。E隊も4匹目をあと少しの所まで追い詰めている。
アスカの後ろではキリトとキバオウが何か話をしている。距離はそれほど離れていないが、戦闘音でかき消されて内容は聞こえない。
アスカはキバオウに対してあまり良い印象を持っていない。
会議中にベータテスターに対して糾弾を行っていたが、それがアスカには理解し難いものだったからだ。
2千人ものプレイヤーが死んだのはベータテスターのせい、と彼は言っていた。
が,そんなわけがない。死んてしまう
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