天使のような子と旅行先で出会った
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優しく微笑む南さん。久しぶりに目にするこの表情。それがどれだけ俺の心に響いたか。言葉にしなくても分かるだろう。
──本当に、可愛いな。
「……なあ、蒼矢。話してるとこ悪いんだけど、いい加減場所変えようぜ……」
「あっ……そうだな……」
南さんとの会話に夢中になってて忘れてたけど、これから休憩のついでに昼食を食べに行くんだった。でも好きな人との会話ってすごいな。暑ささえも忘れることが出来るんだから。
「穂乃果さん達はどうする? 俺達これからお昼にするんだけど、もう食べちゃったかな?」
「ううん、まだだよ!」
「お昼を食べようって話になった時に、丁度神崎くん達を見つけたんだ」
「おっ、それならさ、一緒に食べない?」
「うん、もちろん!」
……なんか自然な流れで誘ってしまった。傍から見たらナンパみたいに見えるかもしれない。
ま、まあOKは貰ったし良しとしよう、うん。
「どこで食べようか?」
「それなら穂乃果が美味しそうな所があるって目を輝かせてましたけど……」
「そうなんだ 少し歩くけど、絶対に美味しいと思うんだ! 付いてきて!」
「あっ、穂乃果!」
「おい、2人とも!」
一人で先に駆けていく穂乃果さんと、それを追いかける園田さんと翔真。この暑さの中でも、相変わらずの元気全開な彼女。というか追いかける園田さんもすごい。流石、日々の練習は伊達じゃないみたいだ。翔真も追い掛けているけど、アイツはどうせすぐにバテるだろう。
「あはは……私達も行こっか」
「そうだな」
思わず2人で苦笑い。そうして穂乃果さん達の後を追い始めた。といっても、ゆっくり歩きながらだけど。
──そして、3人が先に行ったから俺と南さんの二人っきりとなった。もしかして、穂乃果さん達は俺のことを気遣ってこの状況を作ってくれたのか? ……いや、考えすぎか。
「こうやって並んで歩くのも久しぶりだね」
「……ああ、そうだな」
「神崎くんは私と並んで歩くの、嫌い?」
「なっ、そんな訳ないじゃないか」
「そっか、良かった」
どうしてそんなことを聞くのか。とても気になったけど質問するのはやめておいた。それを聞くのは野暮のような、そんな気がしたから。
「じゃあ逆に聞くけど、南さんは俺と一緒に歩くのは嫌じゃないの?」
「もちろん嫌じゃないよ。どうして?」
「だってほら、二週間俺と会ってくれなかったし……」
「えっ……あっ、そ、それは違うの! えっと……」
「恥ずかしかった……そうでしょ?」
「な、なんで知ってるの〜!?」
顔を真っ赤にして慌てふためく南さん。可愛いけど、あまりやり過ぎない
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