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天使のような子に恋をした
天使のような子と旅行先で出会った
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ん、そして──ずっと会いたかった南さんだった。どうやら神様は俺の味方をしてくれるらしい。

「あ、やっぱりそうだった! 久しぶり2人とも!」

「穂乃果ちゃんに海未ちゃん、ことりちゃんも! 久しぶり!」

「お久しぶりです。こんな所で会うなんて奇遇ですね。お二人も修学旅行でしたか」

「そうなんだよ! いや、実はさ──」

 翔真達が色々話しているけど、俺はそれどころじゃなかった。久しぶりに会う南さんは、以前よりも可愛く、愛おしく見えた。ああ、やっぱり好きなんだな、南さんのこと。

「あっ──」

 彼女と目が合った。何だか気恥ずかしくてすぐ逸らしてしまったけど、それは向こうも同じみたいだった。キョロキョロと視線を泳がせていて、目が合ってもすぐ逸らしてしまう。それの繰り返しが何回か続いた。

 どうすりゃいいんだこれ……かなり気まずい状況なんだが……

 ──そんな俺達の様子を、ニヤニヤしながら見守る人物が約3名ほど……。

「……なんすか」

「いや? 別に? 何でも?」

「ちょっと微笑ましいなって見てただけだよ!」

「私達のことは気にしなくていいですよ」

「ほ、穂乃果ちゃん……海未ちゃん……!」

 助けを求める南さんだけど、穂乃果さんと園田さんはニヤニヤしたままだ。穂乃果さんはともかく園田さんまで乗るとは。案外ノリのいい人なのかもしれない。

 ……というか、この様子だともしかして、俺が南さんのこと好きってこと、バレてる? もしくは翔真がバラしたとか?

 後でちょっと尋問(おはなし)してみるか。丁度そう思った所で翔真が耳打ちしてきた。

「お前さ、ことりちゃんと話したいんじゃなかったのか? 今その時が絶好のチャンスだろ。これ逃したら次はないかもしれないぞ?」

「……分かってるよ」

 毎度のことながら翔真には助けて貰いっぱなしだ。お礼として尋問は軽めにしてやるか。

 さて、俺も男だ。勇気を出して話し掛けてみよう。翔真の言う通り、この機会を逃したら次はないかもしれない。それだけは絶対嫌だね。

 まずは心を落ち着かせて──よし!

「南さん」

「ひゃっ、ひゃいっ!?」

 ……何もそこまで驚くことなのだろうか。可愛いからいいけど。

「えっと、その……まずは改めて。お久しぶり、南さん」

「……久しぶり、神崎くん」

 2週間ほど耳にしていなかった、南さんの俺を呼ぶ言葉。それがもう、どうしようもないほど嬉しくて。油断したら思わず本音が漏れてしまいそうだ。

「元気だった?」

「うん、風邪とか怪我もないよ。神崎くんは元気だった?」

「俺も大丈夫。特にこれといった風邪とかも引いてないかな」

「ふふっ、よかった」
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