天使のような子と旅行先で出会った
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た様子で語る。それが単なる励ましや慰めじゃないって事は、彼と10年以上の付き合いがある俺にはすぐ分かった。
「あのさ、可愛いって言われて嬉しくない女の子なんていないさ。それが仲の良い友達なら尚更だよ。多分、ことりちゃんは照れ隠しで行動してるんじゃないか?」
「照れ隠しか……」
「実際、可愛いって言った後逃げるように立ち去っただろ? 嬉しくもあったけど恥ずかしかったんだよ」
──やはり、持つべきものは親友だ。今まで心がずっしりと重く沈んでいたのが嘘のように、すーっと軽くなった。これまで何回助けられてきたことか。今回もこうして助けられてしまった。
「……なるほど。そうだといいんだけどな」
「絶対そうだって! 多分!」
「いやどっちだよ」
「ハハッ、大丈夫大丈夫! 心配すんなって!」
いつもの調子で笑う翔真。はぁ……コイツって奴は。
──でも、ありがとな。翔真。
あっちで南さんに会えるかは分からない。だけど、偶然会ったときはどのように接すればいいだろうか。
再び窓の外へ目を向ける。相変わらず宇宙は青く、雲は白かった。
……ちなみに、結局飛行機内で南さんの姿を目にすることは出来なかった。
◆
「あっつー……」
「……夏服で来てほんとによかった」
修学旅行2日目。今日は班別自主研修ということで、沖縄県の様々な名所を巡ることになっている。まあ、班といっても俺と翔真の2人だけなんだけど。他の班は4、5人いるんだけど、班分けの時に色々あって俺達2人だけになった。俺としてはこっちの方が気が楽でいいけどね。
それにしても、暑い。もう10月──東京ではようやく肌寒くなってきた頃だというのに、それを感じさせないほどの暑さ。太陽は夏のようにギラギラと俺達を容赦無く照らし、今は真夏の真っ只中かと勘違いするほど。流石日本最南端に位置する県なだけある。
「蒼矢……そろそろ休憩しようぜ……」
「ああ……そうだな」
流石にこの暑さではやってられない。それは翔真も同じようだった。
幸いそろそろお昼時だし、休憩するには丁度いいだろう。どこか適当な飲食店でも見つけて、そこで休憩するついでに昼飯を食べるか。
──そういえば、今頃南さんは何をしているだろうか。予定が同じなら彼女も自主研修中だろう。結局昨日は話すことは勿論、会うことさえ出来なかったから今日こそは会いたいけど、そう上手く行く訳ないよなぁ。
──そんな時だった。背後からやけに聞き覚えのある声が聞こえてきたのは。
「あれ? もしかして蒼矢くんと翔真くん?」
「えっ?」
驚くほど翔真と同じタイミングで振り返る。そこにいたのは、なんと穂乃果さんに園田さ
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