天使のような子と旅行先で出会った
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のかよ? 南さんがいたって話は」
「ああ、本当だ。というか穂乃果ちゃんと海未ちゃんも一緒にいたぞ。あっちは俺達に気付いてなかったみたいだけど、アレは絶対ことりちゃん達だった。ファンである俺が見間違える訳がない」
……まあ、翔真がここまで言うんだから間違いないだろうな。
ということはコイツの言う通り、この飛行機には南さん達も乗っているのか……。
──会えないかな。
「この飛行機って沖縄行だろ? だから音ノ木坂も修学旅行っぽいな。いやー、まさか重なるとは」
「……すごい偶然だ」
もしかしたらあっちで南さんと話す機会があるかもしれない。いや、あっちじゃなくてもこの飛行機内でばったり会って、なんてことも──
そんな事を考えながら、飲みかけのジュースに口を付ける。ああ──美味い。
「……そういや最近どうよ」
「……念のため聞くけど、どうって何がだよ?」
「決まってるだろ。ことりちゃんとの仲だよ」
「んぐっ!? ゲホッゲホッゲホッ!」
何を聞いてくるかと思えば。突然そんな事を聞いてくるから器官にジュースが入ってしまった。相変わらず翔真はニヤニヤしながら俺を見ている。少しは俺を心配する気概があってもいいだろうに。
──それにしても南さんとの仲、か……。それを考えると、自然と心が重くなるような、そんな感覚に陥る。出来ることなら、あまり考えたくなかった。
すると、翔真がまるで見透かしたように聞いてきた。
「おっ、その様子だと上手くいってないみたいだな」
「……上手くいってないというか、そもそも最近会えてないんだよ」
「あれ、そうなのか? てっきり毎日会っているかと思ってたけど」
──そう、実はここ2週間、南さんと会うことが出来ていない。普段なら俺の家の前で待っているくらいなのに、ある日を境にしてそれが無くなった。最初は用事でもあるのかなとも思ったけど、どうやらそうでもないらしい。事実、今日という今日まで会えてないんだから。
そして、そのある日というのがライブの翌日──つまり、俺が南さんに初めて“可愛い”と言った日の次の日からで。
──原因って絶対コレだよなぁ……。
最悪、南さんに嫌われてしまったということも十分に有り得る。もしそうだったら俺の初恋はそこで幕を閉じることになる。仮にそうなった場合、潔く諦めるしかない。ストーカーにはなりたくないし。
──考えたくもないけど。
ちなみに何度もRIMEを送ろうとしたけど、南さんに迷惑が掛かると思って結局送るに至ってない。ヘタレだよなぁ、俺。
「なるほどな。だけどことりちゃんはお前のことを嫌ったりなんかしてないぜ」
事の顛末を聞いた翔真は、どこか達観し
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