第六十八話 華陀、益州に戻るのことその九
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左右に駒の如く回転してだ。周囲に光を放つのだった。
「神罰!」
「今ここに!」
「う、うわああああああ!」
その光を受けてだ。男達は消え去ってしまった。
だが、だ。すぐにであった。
男達はまた出て来た。次から次にだ。
そのうえで三人を取り囲む。だが二人は光を放ち続け華陀はその針を周囲に投げてだ。男達を黄金の光に変えていくのだった。
だが、だ。それでもだった。
彼等は次から次に出て来る。その攻防が続く。
「ううん、ここは」
「ちょっとね」
貂蝉と卑弥呼はだ。その彼等を見て言った。
「洒落にならないわね」
「ここはちょっと」
「どうする?まだ戦うか?」
華陀は二人に対して問うた。
「そして何としても于吉を」
「いえ、ここはね」
「退いた方がいいわね」
「そうか。退くんだな」
「ええ。考えてみたら今は何の用意もしてこないから」
「だからね」
それでだというのだった。二人はだ。
回転を止めてだ。そしてだ。
華陀をその両脇から掴んでだ。それぞれ右手と左手を高々と掲げる。
そのうえで。空に飛ぶのだった。
「さあ、ダーリンまずは」
「皆のところに戻りましょう」
こう華陀に言った。
「いいわね、今は」
「この町を去るわよ」
「ああ、わかった」
華陀も二人のその言葉に頷く。
「今度は。備えをしてだな」
「またこの町に来ましょう」
「そうしましょう」
こう言ってだ。そしてだった。
彼等は空を飛びその場を後にした。後には男達が残った。
彼等はだ。その暗澹たる町の中で述べるのだった。
「逃げられたか」
「どうする?」
こう話す彼等だった。
「追うか?」
「そして消すか?」
「いや、ここは左慈様に報告しよう」
こうするというのだった。
「それからだな」
「どうするか決めるか」
「そうするとしよう」
こうしてだった。彼等は宮廷の奥に入った。そしてだ。
そのうえでだ。そこにいる左慈に報告した。話を聞いた左慈はまずは顔を顰めさせてだ。そうしてそのうえでこう言うのだった。
「やはり気付いたか」
「そうですね」
傍らにいた于吉が彼に応えた。
「予想はしていましたが」
「この世界でも。邪魔をするか」
「さて、どうします?」
ここで尋ねる于吉だった。
「ここは」
「ああ、ここはな」
左慈はその于吉に対して述べた。
「とりあえずは追う必要はない」
「その必要はありませんか」
「左様ですか」
「そうだ、その必要はない」
こうだ。彼は男達に答えた。
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