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駄目親父としっかり娘の珍道中
第6部
柳生編
第84話 何時の時代も上司には苦労させられる その1
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力を持っていれば、絶えず探知魔法を発動させる事も訳ないと言う事か。やはり下手人はあの銀髪の侍で間違いなさそうだな)

 各々がそんな事を考えつつそっと寝室の方を見る。

「俺は怒ったぞぉぉぉぉ! ブリーザーぁぁぁ!!!」

 それは、寝室の一角で一人寂しく寝ている銀時の横で神楽がやかましくジャンプの朗読をしていると言う大層紛らわしい場面であった。
 たまたまそのセリフがそれっぽく聞こえただけの様で何とも紛らわしい事このうえない。

「おいおい、さっきから喧しいんだけどさぁ。もう面倒だから俺に読ませてくんない? その方が手っ取り早いからさぁ」
「駄目アル。銀ちゃんにはジャンプは刺激が強すぎて危険ネ。そのせいで銀ちゃんバイクを運転してる時にすっころんで怪我したのを忘れたアルか?」
(怪我の原因がバイクの転倒!? 事件とは関係ないのか)
(だが、まだ白とは限らん。もう少し探りを入れるべきなのだが―――)

 どうやら怪我の原因はバイクの転倒による物だったらしい。しかし、折角此処まで来たんだし何か情報を持って帰らないと上司にどやされるのは目に見えている。なのでもう少し様子を見る事にした。

「う〜ん、ジャンプはダメあるけど、このヤングジャンプとかどうアルか? 銀ちゃんが好みそうなのは〜」
「待て待て待てぇぇぇ! 未成年がヤンジャンなんて読むんじゃねぇ! それはお前ら若人には刺激が強すぎるからぁぁぁ!」

 若い乙女が道を踏み外そうとしているのを止めるべく身を起こす銀時。
 それが彼の禍を呼ぶスイッチになったとは彼自身知る筈もなかった。

「動くなっつっただろうがぁぁぁ!」
「大義名分キターーーー!!!」

 銀時に向かい繰り出されるは白銀の刃と金色の閃光の刃。まぁ、要するにお妙とフェイトの同時攻撃だったりした。

「あっぶねぇぇぇ・・・」
「もぉ、動くなって言ったでしょ?」
「人が折角心配して来てあげたんだから大人しくしててね・・・でないと―――」


「「殺しますよ(死にますよ)」」

 何とも不吉な幻聴がした気がするのは気のせいだろうか。とにかく、それを聞いた銀時が青ざめたのは言うまでもない。

「えと、ちょっと良いかな。俺はただバイクですっころんで怪我しただけだから大した怪我じゃないんだよ。だから別に四六時中看病の必要とかない訳でぇ・・・っつぅか何でこの場にてめぇがいんだよフェイト! お前何が目的で来やがった!?」
「何言ってるんですか銀さん。フェイトちゃんは銀さんが怪我したって聞いて真っ先に来てくれたのよ。とってもいい子じゃない」

 そう言ってお妙がフェイトの頭をなでなでしている。フェイトも何処か嬉しそうに微笑んでいるが、こちらに向けているのは明らかに殺意に満ちた下卑た笑みでしか
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