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駄目親父としっかり娘の珍道中
第6部
柳生編
第84話 何時の時代も上司には苦労させられる その1
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」「ん?」

 ふと、河川敷でミントンを嗜んでいた連中から呼ぶ声が響く。
 声のした方を見た二人には、もれなくミントンのラケットが顔面に叩きつけられたのは周囲の人々の目にしっかりくっきりと映し出されていたらしい。




     ***




 時刻は夜、山崎とザフィーラの二人は揃って音を立てずに忍びこんでいた。
 新八の実家でもある恒道館に―――

「なぁ、良いのか? こんなに色々とはしょってしまって」
「仕方ないでしょう。幾ら二次小説だからって一から十まで全部やる訳にはいかないんですから。そんな事したらパクリだなんだって言われかねないんですからね」
「いや、そう言う問題じゃなくてだな・・・まぁ、良いか」

 諦めたのか、途中で聞く事を止めた。尚、この時のザフィーラは隠密性を考慮して獣モードで来ている。
 こちらの方が万が一見つかったとしても野良犬で誤魔化せるかも知れないからだ。

「しかし、あの旦那が怪我して此処で療養してるだなんて、きっと先の事件で負った怪我かも知れない」
「となれば益々怪しいな。いざとなれば銀時の奴を拉致して拷問に掛けて聞き出すと言う手段も講じる事も念頭においておくべきか」
「地味に怖い事考えますねザッフィーの旦那は。まぁ、その線も考えてない訳じゃないけど」

 二人とも自分の命が大事なんだよ。だから他人を蹴落としてでも自分は生き残りたい時だってきっとあるんだよ。だから、これを見てる人は二人を決して責めないで欲しい。
 二人だって苦労してるんだから。

「それで、万事屋の奴は何処にいるんだ?」
「この家の間取りからして、寝室の方だからこの先かな?」

 山崎を先頭にして、二人は音を立てずに物陰から様子を伺うべくそっと壁伝いに近づいていた。
 気配を殺し、音を殺し、自分自身の存在自体を殺すつもりでそっと近づいていく。

「・・・ザッキー。この先にターゲットが居る」
「流石はザッフィーの旦那だ。良い鼻をしてる。頼りになりますよ」

 どうやらお目当ての輩はすぐ近くにいるようだ。これならば話が早い。万事屋の誰でも良い。とにかく捕獲して情報を聞き出す。そうした後はまぁ、その後の次第って事にしておけば万々歳って事にしておこう。
 何かもう、面倒臭くなってきたしね―――

「ほっほっほっ、遅かったじゃありませんか。待ちくたびれましたよ」
「「!!!」」

 突如、寝室の方から聞こえて来た声に二人は思わず肩を震わせた。
 まさか、自分達の潜入がばれたと言うのか。だとしたらこそこそしても意味がない。折角二人で練った作戦がパーになってしまった。
 
(流石は旦那だ。俺達の潜入をあっさり見破るなんて)
(まさか、魔力探知をしてたのか? あれだけの膨大な魔
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