第6部
柳生編
第84話 何時の時代も上司には苦労させられる その1
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げられるのが一つある」
「・・・先の事件のアレか」
「恐らくはな―――」
二人が言っている事。それは以前に江戸で勃発したからくりメイド暴走事件の事だった。
当時、真選組は暴走するからくりメイド達の鎮圧に苦戦していたのだが、その際突如地面から特大の魔力砲が放たれ、自分達が苦戦していたからくりメイド達をいとも容易く消滅し尽して行った事があった。
それは、ベルカの騎士である二人にとっては由々しき事態に他ならない。
「此処江戸では我らの力は著しく減退する。それはミッド式の魔導士とて例外ではない。にも拘わらず、あれだけの膨大な魔力を放出出来る輩がこの地に居る。それだけでも我々にとっては脅威だ」
「だが、あれの出所は全く掴めていない。あの後周囲を探索してはみたが証拠と呼べる物は全く見当たらなかった」
「ふむ、情報収集に関してはこちら側の連中のほうが一枚上手と言ったところか。我らでは一歩出遅れてしまうな」
本来であれば魔力探知を用いて簡単に探り出せるのだが、生憎その手の魔法には魔力を使用しなければならない。
それは、此処江戸の地では死活問題になる。
魔力を補充するのが困難な状況では出来る限り節約しなければならない。
その為、情報収集には基本的に己の足で赴いて捜査する必要があり、その為勝手な行動は自粛している為にこうした出遅れが発生してしまっている次第だったりする。
「それなんだが、妙な情報が流れ込んでいるのを耳にした」
「妙な情報?」
「あぁ、何でも事件発生当初、三人の子連れの銀髪の侍がターミナルへ通じる地下水道へ向かって行く姿を目的したとの情報が入っている」
「銀髪の侍・・・奴の事か?」
銀髪の侍と聞いて思い当たる人物は一人しかいない。
此処江戸の地で万事屋を営み、べらぼうに強いと噂されている胡散臭い男。
坂田銀時その人であった。
「奴は前からどうにもきな臭い奴だとは思っていたが、まさかその男が先の事件にも絡んでいると言うのか?」
「確証はないが、高杉一派と桂一派、並びに管理局の三つ巴の中にまた奴が居たとの情報も入っている。恐らく、先の膨大な魔力とその銀髪の侍には何かしらの関連性があると見て間違いないだろうな」
「うむ、となると例の魔力砲はその万事屋に属している何者かが放ったと見て間違いはないだろう」
案外鋭い読みだった。
「だが、具体的に誰なんだ?」
「まず眼鏡とチャイナの二人は論外だろう。あの二人から魔力は感じられたが極微量だ。とてもあれだけの魔力砲を放てるとは思えない」
「では、銀髪の侍とその娘。その二人の内のどちらか、と言う事になるな」
「その線で間違いはあるまい」
「だが、それでどうする? 万事屋の奴らと言えば主と深い関わりを持つのだぞ」
「それがど
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