暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜白猫と黒蝶の即興曲〜
交わらない点:Point before#2
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当に狩ればいいんじゃないの?」
「都合よく
首都
(
フリーリア
)
の上空辺りに来ててなぁ。せっかくだし、この機に新素材ごっそりストックしときたかったんよ。物資ってーのは、いくらあっても困るモンでもないやろうしなぁ」
エモ・ルーチョンの多段ゲージ、その一本目が空になる。年末臨時パーティーがアルゴリズムの変化に対応するために固くなるのを傍目に、騎獣の背にべたっと張り付く少年はヤル気がまったく感じられない言葉を紡ぐ。
「ヒスイで充分じゃないの〜?なんで僕まで――――」
「ストップ。それ以上はいかんで、隊長」
巨狼から垂れ下がる形の頭を軽くはたきつつ、ヒスイは少々硬い調子で返した。
「確かに最近あんさんは戦闘方面じゃあんま出張らんようなって、実質的な仕事は書類にハンコ押すだけんなった。けどな、そんなでも一緒に戦いたくないって子ぉがいるワケじゃないんやで?」
「う……、すいませんでした」
分かればよろし、とすげなく返してヒスイはチラリと戦場を見る。
幸いにもパーティーの面々は戦闘に掛かり切りで、大声での指示ならともかく、こちらの世間話にまで気を配る余地はなかったらしい。思春期ちゃんばかりだから、そこら辺のケアも色々気を遣うモノなのだ。中間管理職って便利な言葉である。
ともあれ。
「そんで、カウントダウンパーティーって?」
「ああ、うん。SAO帰還組で集まって年越そうぜーって兎轉舎のおねーさんがさ」
「兎轉舎ってぇと、イグシティにある道具屋かぇ?」
「そ」
あまり旧SAOの中での出来事はまったく口にしない少年ではあるが、そんな彼が漏らした数少ない六王以外の人物――――というか店のことだ。いわゆる彼の溜まり場でもあったらしく、ALOでグランドクエストをクリアした少し後、現実にもあるらしいそこで打ち上げをしたらしい。
道具屋というか雑貨屋っぽいが、訪れる度に内装がころころ変わっているのも、武具の整備までどんとこいな感じなのも、唯一の従業員であり店主であるお姉さんが変人なのもあり、要するに何でも屋という認識で落ち着いている。
「んでどーするん?確か年末は
家
(
ホーム
)
で過ごすー言うてたけど」
ここで
現実
(
リアル
)
の実家とは言わない辺りゲーマーだ、と苦笑する。が、丸二年間も仮想に閉じ込められていた少年は、もうそこに大した感慨を感じないのか、ふすーと鼻息を吐き出す。
「そーだったんだよね〜。でもさー、なんかマイが行きたがってるらしいンだよね〜」
「……えぇ」
先の動乱の裏でひそかに勃発した迷子事件(しかも自信満々に請け負って未解決に終わった)を思い起こし、露骨にヒスイは顔をしかめた。
あの一件が隣の少年にどのような形で伝え聞こえているかは知らないが、もうちょ
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