レディアント
80話 =新たなる旅立ち=
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項垂れてしまうような暑い夏の日。
壁を一枚隔てた外では少年少女の騒ぐ声や、じじじじと油でカラッと挙がるセミの声、排熱しようと頑張っている室外機の音が鳴り響いている。井戸端会議ではやれ夫の実家に帰らなきゃいけないだの誰に残業を任せるかだの、苦労する主婦様の会話が聞こえたりするだろう。
そう、世間一般でいうところの夏休み、それも中旬。いわゆるお盆が近いのだ。そんなわけで、俺こと雄護陸也もSAO事件以来会っていない家族のもとへ帰らなきゃならないのだが。
「…………暑ーいー」
「嘘でしょ?」
「いや、お前が暑さに強すぎるだけじゃない?」
「逆よね、陸也が弱すぎるのよ」
「えー……もっと温度下げようぜ?溶ける」
「寒い。というか、今でもちょっと着込みたいもの」
「嘘でしょ?」
小さなテーブルに向かいながらカリカリとノートにシャーペンを走らせる女性――結城悠香――がこちらの顔を見ずに呟く。
先ほど20度くらいに設定したクーラーのリモコンを探そうとするも目の前に広がる白紙のノートをコツコツ叩かれ阻害される。ああ、なぜ冷蔵庫のように部屋を冷やしてはくれないだろうか……と訴えかけてみるものの効果はなし。それどころか1度2度とどんどん温度が上がっていく。
そんなわけで、何が言いたいかというと夏休みの宿題が終わらないがために帰省する残り時間、結城家の大きな家に入り浸っているというわけだ。
「ああああ、終わんないんですけどー!?」
「アンタがやらないからでしょうに……」
「いや、いくら向こうにいた期間を取り戻すとは言え、急ピッチすぎない?」
まだ出していないカバンの中にはさらに数冊、問題集やらノートが封印されているのを見て見ぬふり。最近悩みだと言っている胸部をテーブルの上にのっけて頬杖を突いているユカの隣に移動しごそごそ移動して悠香の作業ペースを確認する。
冷房が効いてるとはいえ季節は夏。俺はもちろん、悠華も比較的薄めのTシャツにハーフパンツというなかなかにラフな格好をしている。が、大きめのTシャツがパツパツに張るほどの豊満な胸部から繰り出される谷間がどうにも目を背けられないのは男の性か。伸びをするときにちらりとみえる脇からも下着では包みきれない横乳がチラリズムしている。少し動くだけでプルンプルンと揺れるそのメロンはもはやスイカ以上は余裕であるだろう。後ろを向いてもその存在がこぼれ見えることから大きさは相当なもの。これでも成熟していないから驚きだ。昔から他の女子に比べて大きかったなーなどと思いながらも今は重要……だけど、ちょっと我慢。
「……どうしたの?」
「やらないから、とか言いながら悠香だって終わってないし!」
「…………」
なんだかんだ言いつつ俺
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