第六章
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「お願いを聞いてそれを成就させる為に」
「実際になの」
「はい、色々書かれたり上の神様の方に書いたお手紙を送る用意をしたりして」
そうしたことをしてというのだ。
「大忙しですよ」
「頑張ってるわね」
愛も働いている犬神達を見つつ話した。
「随分と」
「子沢山のお願いの為に」
「ええ、多産のね」
この神社が司っているそれの為にというのだ。
「励んでいるわ」
「そうなのね」
「これはね」
まさにと言う愛だった。
「この神社本当にお願いが通じるわ」
「じゃあここは」
「お願いをすれば絶対よ」
愛は進次郎の妻に対して言い切った。
「多産が適うわ」
「じゃあ私もなのね」
「ええ、多産をお願いしたらね」
「二人目三人目もなのね」
「授かるわよ」
「わかったわ、実は子供五人は欲しいって思ってたの」
進次郎の妻は三人にこのことを話した。
「それじゃあね」
「はい、今からですね」
「四人で、ですね」
「お願いするのね」
「三人共子供は一杯欲しいみたいだし」
それならと言う進次郎の妻だった。
「それじゃあね」
「お願いしましょう」
「犬神さん達に」
「これからね」
「そうしましょうね」
こうしてだった、四人で神社でお願いをした、そしてその夜だ。
進次郎は妻からその話を聞いてだ、こう返した。
「ああ、そうだったんだ三人共」
「このこと知らなかったの」
「実はな」
こう妻に返した。
「僕もはじめて知ったよ」
「凄いわね、神様が見えるなんて」
「ああ、というかな」
「というか?」
「子供五人出来たらな」
それならとだ、進次郎は言うのだった。
「兄貴に子供の数で勝つことになるな」
「あっ、そういえばそうね」
「四人の子持ちでずっと凄いと思ってたんだ」
このことで兄が羨ましかったというのだ。
「けれど五人持てたら」
「その分嬉しいわね」
「やっぱり子供はな」
「沢山いて欲しいわね」
「ああ、しかしあの娘達もか」
「私と一緒にお願いしたわよ」
「じゃあ三人共子沢山になるか」
「あの神社の神様は凄く真面目に働いているそうだし」
その神社に参拝しているからだというのだ。
「きっとね」
「あの子達も子宝に恵まれるんだね」
「そうなるわ、私達もね」
妻は笑って進次郎に言う、そして進次郎も妻の言葉に頷いた。そうして妻に今晩のことを尋ねたのだった。
「それで今日の晩御飯は何かな」
「豚のすき焼きよ」
「あっ、すき焼きなんだ」
「そう、豚のね」
「牛じゃないんだ」
すき焼きといえばそのとだ、進次郎は妻に問い返した。
「そっちじゃ」
「あの娘達が好きじゃない」
「ああ、豚肉自体がね」
「それでなの」
「豚のすき焼きにしたんだ」
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