第五章
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「早くお家に帰らないと」
「このお寺に一つ目小僧が出るって聞いたんですが」
「それおいらのことじゃない」
「はい、本当に出たんですね」
「噂は聞いてるよ、おいらこのお寺にもう三百年住んでるんだ」
「三百年ですか」
「代々の住職さんと一緒にね」
この寺に住んでいるというのだ。
「お寺のお手伝いや修行をして暮らしているんだ」
「そうなんですか」
「そうだよ、ずっそ修行してるんだよ」
仏教のそれをというのだ。
「お経も詠んでるし書くしね」
「一つ目小僧ってそうして暮らしてるんですか」
「少なくともおいらはそうだよ」
こう話したのだった。
「他の一つ目小僧も普通にね」
「そうして暮らしてるんですか」
「人間みたいにね」
「そうだったんですか」
「ちなみに好物は冷奴と般若湯だよ」
「お酒ですよね」
「般若湯だよ」
そこはあくまでこう言うのだった。
「そこ宜しくね」
「あくまで般若湯なんですね」
「そうさ、それでさっきまでね」
「あの、お経をラップでというのは」
今度はあかりが一つ目小僧に言った。
「かなりぶっ飛んでますね」
「いやいや、さっき住職さんとおいらのお話聞いたよね」
「最近の仏教ではですか」
「これもありだって思ってね」
それでというのだ。
「最近やってみてるんだよ」
「そうですか」
「修行の一環としてね」
「それも修行ですか」
「少なくともおいらはそのつもりだよ」
「わしもじゃ」
住職さんもこう話した。
「これも修行じゃ」
「そうですか」
「うむ、それがわかったかのう」
「わかりました」
一つ目小僧は実在ししかもラップでお経を詠っているのでその現実を把握しきれなかったが二人はこう返した。
そしてだ、未佳の兄も言った。
「とりあえずわかりました、じゃあ」
「うん、女の子はね」
「この時間にはですね」
「出歩かない方がいいよ」
「今度からは」
「そのことはね」
確かにと言ってだ、そしてだった。
三人は寺での一つ目小僧と住職との会話を終えて彼等と別れてからだった。そのうえで、だった。
家に帰るがまずはあかりの家に行き彼女を送った、未佳は兄と家に帰るので最後までボディーガードが一緒なのでそうした。
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