第二章
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「一つ目小僧って私達の近所にも出るらしいのよ」
「ご近所っていうと」
あかりは自分達が今住んでいる今里のことから話した、二人共今里にある中学校に通っているのだ。
「今里の」
「そう、あるお寺にね」
「この今里にある」
「そこに出るらしいのよ」
「それ本当?」
「これはお父さんから聞いた話だけれど」
未佳は今度は自分の父から聞いた話を出した。
「何でもね」
「今里のあるお寺に」
「そう、夜の十二時になったらね」
この時間にというのだ。
「一つ目小僧が出るらしいの」
「そうなの」
「そうらしいわ」
「じゃあそのお寺に十二時に行ったら」
「ひょっとしたらよ」
「一つ目小僧に出会えて」
「何をする妖怪かを見られるかもね」
こうあかりに言うのだった。
「あくまでひょっとしたらだけれど」
「それじゃあ」
そう聞いてだ、あかりは未佳に言った。
「そのお寺に」
「そう、夜の十二時にね」
「行けばいいのね」
「ええ、ただ真夜中に出るから」
「変な人も出るかも知れないし」
「完全武装して何ならね」
未佳はこうも言った。
「そのうちのお兄ちゃんにも一緒にいてもらうか」
「ボディーガードとして」
「それで観に行きましょう」
「一つ目小僧を」
「そうしない?」
こうあかりに提案した、あかりも頷きこうして二人は今里のその寺まで行って一つ目小僧がいるかどうか、そして何をする妖怪かを観ることにした。
言ったその時にというのか二人はその話をしたその日の十二時にその寺に行くことにした、どの寺かは未佳は彼女の父に聞いてもう知っていた。
それでだ、二人で行くのだが。
二人の傍にいる背の高い男がぼやいていた、見れば黒髪で細目が目立つ。
「俺明日早いんだけれど」
「じゃあ妹に何かあっていいの?」
未佳はその背の高い青年にむっとした顔を向けて問うた。
「花の中学二年生に」
「花の中学生が夜に出歩くなよ」
これが青年、未佳の兄の返事だった。
「夜更かしは肌に悪いぞ」
「いいの、一日位」
「そういうものじゃないだろ」
「私がいいって言うからいいのよ」
「強引だな、それで今からだな」
「そう、あのお寺に行ってね」
そしてと返す未佳だった。
「一つ目小僧に会いに行くわよ」
「バット持ってスタンガンも持ってかよ」
見れば未佳もあかりもそういったものを持っている、しかも二人共懐にはサバイバルナイフがあり履いている靴は先が硬い蹴ったら威力があるものだ。
「完全武装で」
「痴漢とかいたら大変じゃない」
「痴漢どころかノックアウト強盗出来る装備だぞ」
「それ位じゃないとよ」
「自分は守れないっていうんだな」
「お兄ちゃんもいてね」
ボディーガードも連れてというのだ。
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