第36話 ルーアンでの一日
[1/8]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
side:エステル
「くあ〜……よく寝たわね〜」
マノリア村の風車近くにあるベンチで30分位お昼寝をしてからあたしたちはルーアンを目指してメーヴェ海道を歩いていた。
「エステル、寝起きだからって集中力を切らしちゃ駄目だよ。魔獣はどこから襲い掛かってくるか分からないからね」
「分かってるわ。寧ろ頭がすっきりしたから集中力も上がってるくらいよ」
「ならいいけど……」
二人で暫く海道を歩いていると前方の分かれ道から二人の少女が歩いてきた。
「あれ?あなたたちは……」
「さっきエステルがぶつかった……」
「あ、さっきのカップル」
銀髪の少女が言ったカップルという言葉にあたしは顔を赤くしてしまった。
「カップルって……違う違う。あたしとヨシュアは姉弟よ。ね、ヨシュア」
「……うん、そうだね」
あれ?なんかヨシュアが残念そうな顔をしてるけどどうしたのかしら?
「またお会いしましたね。先ほどは失礼しました」
「いえこちらこそ……そう言えば探していた男の子は見つかったのかい?」
「はい。無事に見つけることが出来ました。気にかけてくださりありがとうございます」
ヨシュアの質問に紫髪の少女は微笑みながら答えた。よかった、探していた子は見つかったのね。
「お二人はもしかしてこれからルーアンに向かうんですか?」
「ええ、そのつもりだけど……」
「宜しければ私たちが案内いたしましょうか?ルーアンについては詳しいですしお力になれると思いますが……」
「えっ?いいの?なら頼んじゃおうかしら」
あたしたちはルーアン地方には来たばかりだから現地の人に案内してもらえるのは助かるわ。
「ちょっと、クローゼ……」
「どうしましたか?フィルさん?」
「えっと、その……この二人も一緒に連れて行くの?」
「もしかして駄目だったでしょうか……?」
「いや、駄目って訳じゃないけど……」
なんだか銀髪の少女はあたしたちと行くのが嫌そうね。さっきぶつかっちゃったこと、やっぱり怒ってるのかしら?
「フィルちゃんでいいのかしら、もしかしてさっきぶつかっちゃった事を怒ってる?」
「あ。ううん、そういう訳じゃないけど……」
フィルと呼ばれた子はあたしが近づくと紫髪の少女の背後に隠れてしまった。
「ごめんなさい。フィルさんは人見知りが激しいので知らない人に話しかけられるのが苦手なんです」
「そうだったの。フィルちゃん、無理に話しかけてごめんね」
「ん、わたしこそごめん。あなたのことを怒ってる訳じゃないから……」
フィルちゃんは本当に申し訳ないという表情であたしを見つめてきた。うわぁ……何だか守
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ