第36話 ルーアンでの一日
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び散った。
「ぐっ、なんだ!?」
「この孤児院には非戦闘員しかいないはずじゃ!?」
「『スカッドリッパー』!!」
更に追い打ちで黒づくめの集団に切りかかるが黒と金の混じった剣を構えた男が現れてわたしの攻撃を弾いた。
「ふん、思わぬ邪魔が入ったか……」
(!?……こいつ、凄く強い!)
目の前に立つ仮面の男からは団長やユンお爺ちゃんから出る達人のようなオーラを感じてわたしは強く警戒する。本来なら戦わず逃げる選択をとるほどの強者だが今はそんなことはできない。
「……」
「ほう、構えるか。その様子から俺とお前の実力の差は把握したと見たが戦うのか?」
「……今は引くことなんてできない!」
わたしは覚悟を決めて男に向かっていった。
「意気込みは買おう、だが少し無謀だったな」
ザシュッ!!
男が消えた瞬間わたしの左腕から血が噴き出した。どうやら気が付かないうちに斬られていたようだが全く反応できなかった……!
「ぐうぅ……!」
「加減したとはいえ俺の攻撃を受ける瞬間に無意識に後ろに飛んでダメージを減らしたか……その年で大したものだ。だがこれで終わりだ」
男の背後で孤児院が燃えているのが目に写った。
「しまった……!?」
「お前の覚悟に免じて今日は見逃してやろう。さらばだ」
仮面の男はそう言うと他の仲間を連れて逃げて行った。
「み、皆……」
わたしは左腕を抑えながら孤児院のドアを銃弾で破壊して中に入る。子供たちは落ちてきた木材に阻まれて出られないようだ。
「フィル!お前、血が……!?」
「これくらい大丈夫。それよりも皆離れていて……」
わたしはナイフで燃える木材を斬りさいて皆を孤児院から連れ出した。
「はぁ……はぁ……テレサ、ごめん。孤児院を守れなかった……」
「そんな……フィルさんがいなければ皆死んでいました!それよりもフィルさんが!」
「ん、ごめん……ちょっと限界かも……」
わたしは意識を失い地面に倒れてしまった。
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