第36話 ルーアンでの一日
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いつかはこの子たちと別れなくてはならない日が来るだろう。でもそれまではこの子たちと過ごしていたい。そう思うのは我儘かな?
わたしはそう思い孤児院の中に入っていった。
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夕食を終えたわたしは子供たちと遊んで寝かしてからテレサと一緒に子供たちの服のほつれた部分や破れた部分を裁縫で塗っていた。
「フフ、繕いものが多いのは元気な子が多い証拠かしら」
「まあクラムは元気すぎると思うけどね」
「それにしてもフィルさんは裁縫もお上手ですね。お料理もできるしその年でよくできますね」
「ん、まあ正直面倒だけどわたしも女の子だからこれくらいはできたほうがいいって思うからね」
「本当はお世話してあげたい人がいるんじゃないですか?」
「……黙秘する」
「あらあら……微笑ましいですね」
まあマリアナも女の子ならある程度の家事が出来るのはポイントが高いって言ってたしいつかリィンのお世話をしてあげたいしね。
「さてと、そろそろ休みましょうか」
「そうだね……ッ!?」
わたしは懐から二丁の銃とナイフを抜いて辺りを警戒する。この銃とナイフはクローゼに買ってもらったものだ。以前孤児院に入ってきた魔獣と戦った時負傷したんだけどその後に護身用にとクローゼがミラを出して今着ている服と一緒に買ってくれたの。
だからわたしはクローゼにも大きな恩があり彼女の為に動いている……話がずれちゃったね。わたしは武器を構えて窓から外の様子を伺う。うん、間違いない。外に誰かいる、それも複数。
「フィルさん?どうかしたんですか?」
「テレサ、皆を起こして下に行って。何者かが孤児院の周りにいる」
「ま、まさか強盗じゃ……!?」
「分かんない。でもこんな夜遅くにコソコソしてる時点で怪しい。わたしが対処するから万が一の時に逃げられるようにして。早く!」
「わ、分かりました!」
わたしとテレサは子供たちを起こして一階に集め二階の窓や一階の玄関のカギを閉める。
「お、お姉ちゃん……怖いよ」
「大丈夫、皆はわたしが守る」
「き、気を付けろよ、フィル……」
「ありがとう、クラム。後私が出たら外にいるやつらが中に入ってこないように玄関のカギは閉めておいて」
「お願いします。フィルさん」
「テレサは子供たちをお願い。それじゃ行ってくる」
泣いているポーリィの頭を撫でてからわたしは外に出る。すると外には数人の黒づくめの恰好をした怪しい集団がおり薪を孤児院の傍に置いて火をつけようとしていた。
「……『クリアランス』!!」
わたしは問答無用で怪しい集団に銃弾をお見舞いした。数人の肩や足に当たり辺りに血が飛
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