第36話 ルーアンでの一日
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けど残念ながらここに遊撃士がいるのよね。
「悪いけどあたしとヨシュアも遊撃士よ」
胸の紋章を見せると3人は驚いた表情を浮かべていた。
「ぐっ、今日の所は見逃がしてやらぁ!!」
「今度あったらタダじゃおかねえ!」
「ケッ、あばよ!」
3人組は見事な捨て台詞を吐いて逃げて行った。
「済まなかったね、君たち。街の者が迷惑をかけてしまった。申し遅れたが、私はルーアン市の市長を務めているダルモアという。こちらは私の秘書を務めてくれているギルバート君だ」
「よろしく。君たちは遊撃士だそうだね?」
「あ、ロレント地方から来たエステルっていいます」
「おなじくヨシュアといいます」
「そうか、君たちが来てくれて助かるよ。唯でさえ今は人手が欲しいからね。もしこの町にいて何か困ったことがあったら是非私の元を訪ねて来てくれたまえ、必ず力になろう」
「はい、期待にこたえられるように頑張ります」
「うむ、それじゃ私たちはこれで失礼するよ」
ダルモア市長はそう言って秘書を連れて去っていった。
「うーん、何て言うかやたらと威厳がある人よね」
「確かに、立ち振る舞いといい市長としての貫禄は十分だね」
「ダルモア家といえばかつての大貴族の家柄ですから貴族性が廃止されたとはいえ今でも上流階級の代表者と言われている方です」
「ほえ〜……なんか住んでいる世界が違い過ぎて想像できないわね」
「……」
「うん?どうかした、フィル?」
フィルはダルモア市長が去っていった方をジッと見ていた。
「……ううん、何でもない」
「そう?あ、もういい時間じゃないかしら?」
「うん、一度ギルドに戻ってみようか」
あたしたちはいいころ合いになったので一度ギルドに戻ってみると受付に眼鏡をかけた男性が立っていた。どうやら彼がカルナさんが言っていたシャンさんのようであたしたちを見るなり嬉しそうにしていた。相当人手不足のようね……
手続きを終えたあたしたちは取りあえず今日は宿屋で休むことにした。旅行シーズンだったから部屋が取れるか心配だったんだけどなんでも最上階のいい部屋に泊まるはずだった人がいきなりキャンセルしたらしくてそこに泊まれることになったの。しかも遊撃士にはお世話になってるからって通常料金で泊まらせてくれるですって!いやー、日ごろの行いって大事よねー。
「それじゃ私は学園に戻りますね。急がないと門限に間に合いませんから」
「あ、そっか。夕方までって言ってたわね。名残惜しいけどしかたないわよね」
「良かったら学園まで送ろうか?」
「ふふ、お気遣いいただきありがとうございます。ですが大丈夫です、いつも通っている道ですしフィルさんもいますから」
「フィルはど
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