第36話 ルーアンでの一日
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ってあげたくなるような子ね〜。
「そっか。じゃあ友達になりましょう?それならもう知らない仲じゃないでしょ?」
「あっ……」
ポンポンとフィルの頭を撫でるとフィルは何やら驚いたような表情を浮かべた。
「どうしたの?」
「あ。なんでもないよ……(びっくりした。まるでリィンみたいな撫で方だった……)」
もしかして急に撫でたのが嫌だったのかと思ったけどそうじゃなさそうだから安心したわ。
「改めて自己紹介をするわね。あたしはエステル。よろしくね」
「……フィル。それがわたしの名前。よろしく、エステル」
そっと差し出された手をあたしはギュッと握り返した。
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「へ〜、クローゼってあのジェニス王立学園の生徒だったんだ。通りで気品の佇まいだと思ったのよね」
「そんな、エステルさんとヨシュアさんの方が凄いですよ。私と年が変わらないのに遊撃士として活動されているんですから。私、憧れちゃいます」
「えへへ、そうかな?」
あの後クローゼとも自己紹介をしてあたしたちは4人でルーアンを目指していた。それにしてもクローゼが前に戦ったジョゼットが偽りで名乗っていたジェニス王立学園の生徒だとは奇妙な縁よね。
「そういえばフィルちゃんは……」
「フィルでいいよ。ちゃん付けはあまり好きじゃない」
「そう?ならフィルって呼ばせてもらうわね。それでフィルとクローゼは一緒に行動しているけど姉妹なの?」
「いえ私はフィルさんが住んでいる孤児院によくお邪魔しているんです」
「孤児院?」
「はい、私は学園の寮に住んでいるんですがあまり遠くないので休日などにはついつい遊びに行ってしまうんです」
「へー、そうなんだ。それにしても学園生活かー、あたしも一度は体験してみたかったな」
「まあエステルは勉強してるよりも体を動かしている方が様になってると思うよ」
「うん、出会ってちょっとしか経ってないけどわたしも同感」
「あんですってー!」
「うふふ。仲がいいんですね」
まあ確かにヨシュアの言う通りあたしは頭を使うより体を動かす方が好きだから遊撃士の方が向いてるっちゃ向いてるかもしれないわね。
そんなことを話しているとあっという間に海港都市ルーアンにたどり着いた。
「うわ〜、ここがルーアンか。なんていうか綺麗な街ね」
「海の青に建物の白……眩しいくらいのコントラストだね」
ヨシュアのいう通り青と白が眩しいくらい輝いてる素敵な街ね。ロレントやボースとはまた違った良さがあるわ。
「ふふ、色々と見どころの多い街なんですよ。すぐ近くに、灯台のある海沿いの小公園もありますし街の裏手にあ
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