一族
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きで回避する。槍は床へと落ち、桜の刃抜きされた模擬薙刀が振るわれようとした。が亮は振るった槍が床に落ちた槍へ更に力を込めて強引にそのまま腕の力だけで槍を基点として一気に持ち上げて姉の一撃から回避した。が身体が一番高いところに達した時、模擬槍からいやな音が響いた。
「ミ、ミシってちょちょおわぁぁぁっ!!?」
体格もいい亮の体重を支えるには模擬用の槍は軟い物であった、その真ん中から見事に折れてしまい亮は床へと落ちてしまいその隙に首へと薙刀が添えられてしまった。
「はい一本、駄目だよ。得物の事も確り考えて戦わないと」
「ちぇっ……ったく今日こそはと思ったのによぉ」
「はははっほら言った通り、亮は勝てないって言ったじゃん!」
「あっさり落ちたアンタに言われたくねえよ!!」
何時かもしかしたら人間のように動いて戦う鬼が来るかもしれないと言う事も考えての訓練、しかし亮は未だに桜から一本を取れた事がなかった。彼自身も弱くはないが戦闘経験という覆せない物をもっている桜が圧倒的な有利を確立し続けている為である。
「ふぅ、さてと今日はこの辺りにしとこうか。そろそろお風呂行こうかな」
「あっ私も行くよ、亮はどうする?」
「俺ぁまだ訓練してる、また負けたから腹立つ」
「はははっ何時でも掛かっておいで、ぶっ潰してやるから」
「言ってろ」
不機嫌そうに鼻を鳴らした亮を置いて桜と鈴鹿は修練場を出て行く、亮は折れてしまった槍を片付けながら愛着を持っている愛槍である『笹ノ葉丸』を構えながら息を吐いた。
「俺はまだまだ弱いし一族の中で一番わけぇ。だが俺はまだまだ強くなれる、俺は何時か親父を越える男になってやるんだ待ってやがれぜってぇ勝ってやる!!そのために、まずは素振り100回いや300回だ!!」
張り切りながら槍を振るい始めた息子の姿を隠れ見た大地は笑いを零しながらそろそろ準備が出来た頃だろうとイツ花の元へと行き月を見ながら晩酌をするのであった。
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