序章
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を収める箪笥に巻物の束を置いておく棚だけしかなかった。
「此処、がお父様の部屋……?」
丁寧に纏められた巻物には今まで自分達が戦ってきた鬼の特徴が事細かく掛かれていた。好む攻撃の角度や速度にそれの対応の仕方、如何すれば生き延びる事が出来るのか、防御し身を守れるか絵も付け加えて分かりやすくしていた。母が言っていたように絵が上手いと素直に思った、躍動感まで飛び出して来そうなほどだ。どこか面白くなり次の巻物に手を伸ばそうとした時不意に机の上にある物が目に入った、そこには『暁 大地 戦記』と銘打たれていたおり気になってそれを開いてみた。
『イツ花先生に言われてから出来事を記録した物を残してみようと思う、何の役に立つかは分からないがイツ花先生曰く思い出を紡いでいく事は簡単だけどそれを見返せるようにするとバ〜ンっと!嬉しくなるそうだ、良く分からなかったけどそうして見るとしよう』
『今日は算術と術の訓練だった、算術は簡単だったが術の方が中々に厄介な物だった。長ったらしい詠唱を覚えつつそれを自分なりに短縮するらしいのだがその短縮がセンスがいるらしく生まれもった素質も関係して自分には難しい術も合って大変な限りだ。ハッキリ言って剣術の訓練の方が楽しいとさえ思えるぐらいに苦痛な時間だ、だけど負けた気分なので頑張って取り組んで見る事にする』
戦記と銘打たれている割に書かれているのは普通の日記と対して変わらなかった、これなら先ほどの鬼に対する巻物の方が余程戦記物だと思いつつ次へ進めて見るとそこは交神間際の記述が広がっていた。
『遂に来週には交神の儀が執り行われる……種絶の呪いを受けている自分が子供を残すには神と交わるしかない、それはイツ花先生からも自分に戦いの運命を告げたあの声からも聞いていた事だ……だけども自分が子供を残して良いのだろうか、朱点を倒す為に子供を作り次代に力を受け継がせ蓄えさせ倒す為に…何の為に子供達を戦わせるのだ、呪いを解く為に?呪いを解く為に次代に呪いを受け継がせるなんて……おぞましくて恐ろしい事だと自分は思う、こんな呪いを受け継がせて子供を苦しませるぐらいなら今すぐ自害したい。だが、朱点を倒さなければ自分だけではなく京の人々が何れ死に絶えてしまう……既に道など残っていなかったのだ……』
『遂に行われる交神の儀、自分が選んだのは火の神であるささらノお焔様である。目立った理由はないが何となくであった、そしてイツ花に連れられて一度天界へと連れられそこでお焔様とあった。お焔様は男勝りという言葉が実に似合う方で凄く快活だ、自分なんかと交神するのは不服なのではないかと思い切って聞いて見たら笑ってそんな事ないよ、大丈夫だと力強く言ってくださった。そして早速子供を残すのかと思いきや交神の儀は約一ヶ月の期間がある、その間自
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