全ては私の掌の上だ
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痛感した」
「彼は君の伐刀絶技・狩人の森に対抗すべく更なる力を求め─」
「度重なる君の襲撃で彼は完全掌握への足掛かりを掴み─」
「ステラ・ヴァーミリオンとの闘いで彼は更なる境地へと足を踏み出した」
「そして、模倣剣技を昇華することで彼は遂に完全掌握をマスターし、……ステラ・ヴァーミリオンとの出逢いはどうやらそれ以上の成長を彼に促した」
「──桐原静矢。君の今迄の行動は全て私の掌の上だ」
藍染は実に緩慢な動きで右手を前へと差し出し、その色を映していない瞳で此方を見据えた。
「今までの僕の行動が…君の…掌の上……!?」
「何だよそれ…どういうことだよ……」
「どういうコトだって訊いているんだよ!」
「そう──
声を荒らげるな、桐原静矢」
動揺し、声を荒げる桐原を落ち着かせるべく藍染は指先を上へと掲げる。
「そんなに驚くことは無いだろう?私はただ、君こそが主人公の成長に於ける最高の素材になる。そう確信してこれまで君の行動の手助けをしてきた。そう言っているだけだ」
「おかしいと思わなかったのか?前理事長の意向により黒鉄一輝の襲撃が表明されて以降何の障害に阻まれることもなく黒鉄一輝への制裁という名の奇行を継続できていたことに。私と出会うことでより一層黒鉄一輝への襲撃を容易に行うことができていたことに。そして──
途中から黒鉄一輝が全くの別人とすり替わっていたことに」
「…何…だと…?」
今度こそ桐原は顔が崩壊した。
だがそれでも藍染は口撃を止めるようなことなどしない。
「私と君との出会いは運命だと思ったか?」
「待て……」
「利害の一致は偶然だと思ったか?」
「待て……」
「黒鉄一輝の襲撃は君の努力の結果だと思ったか?」
「信じられないか私の言葉が」
「当たりまえじゃないか……!」
「だが"事実"だ」
「嘘だ!」
「今までの出来事が全てお前が裏で操っていたと!?全部お前がそう仕向けたというのか!?そんな戯言誰が信じるか!」
桐原は遂に発狂する。
信じられないと、嘘だと
「お前は前に言っていたじゃないか!?僕に協力するのは理事長の意向なのだと!それなのにそれも全てお前が仕組んだことだと言うのか!?それじゃ筋が通らないじゃないか!」
「…随分と面白い事を言うね。今君は自分で言っただろう?"嘘だ""そんな戯言信じない"と。君は今の私の言葉は嘘だというのに─」
「─その
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