第83話 無邪気な子供は時々残酷な事を楽しむ事もある その3
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シュテルか?」
(そうです・・・今・・・目覚・・・した・・・)
雑音で幾つか聞き取れない箇所があるが、確かにこれはシュテルの声だった。
どうやら、先の戦闘から目を覚ましたようだ。
「シュテル、なのはが暴走しちまってる。どうにか止める方法はないか?」
(落ち着いて聞いて下さい。今、なのは様は一時的なショックで感情のリミッターが外れてしまい、一種の錯乱状態に陥っています)
「相変わらず分かり辛い言い回しだなぁ。もうちっと分かりやすく説明してくれ!」
(つまり、切れてしまってるんです)
「んなの見りゃ分かる。どうすればあいつの暴走を止められるんだ!」
(私一人では無理です。なのでお父様のお力を貸して下さい)
「俺の? どうやってだよ」
(今、私がこの体の動きを封じます。変異の途中ですので身動きは出来ません。お父様はその間になのは様に接触してください。私が内部へ連れて行きます)
「は? 何それ!? あいつの中に入るって・・・一体どうやって!」
(説明してる時間はありません! 急いでください)
「ちっ!」
他に方法がない以上藁にもすがる思いでシュテルの作戦を信じる他ない。とりあえず自分が変異途中のなのはに接触する事。そうすれば後はシュテルの方で何とかしてくれると言っているが正直不安だ―――
「銀時、さっきから一人で何ぶつぶつ言っているんだ?」
「あぁ、あれだ。お前の短髪が気持ち悪いなぁって思ってただけだよ」
「そんな事の為にぶつぶつ言っていたのか? 因みにこれはイメチェンのつもりなのだから其処は嘘でも『似合ってる』とか言って場を濁してくれても良いんじゃないのか?」
「てめぇに使う社交辞令なんざ持ち合わせちゃいねぇんだよ」
軽口を叩きつつ、四人は動きを止めたなのはへと近づく。その姿は少しずつではあるが異形の化け物へと変異していこうとしている。
完全に変異が終われば恐らく勝ち目はない。
現状、戦力に魔導士が居ないのが非常に痛い。
だが、泣き言など言ってはいられない。もう一人の娘の努力を無に居しない為にも銀時はなのはに向かい手を伸ばす。
そんな銀時に向かい野太い腕が振り向けられた。
咄嗟に身を翻してそれをかわすも、掠っただけで風圧が体中に突き刺さり痛みを感じさせてくる。
「くそっ! どうなってんだよシュテル。動き止まってねぇぞ!」
(すみません・・・片腕だけ・・・止められませんでした・・・)
「??? おい、大丈夫か。やけに苦しそうだぞ?」
脳内に響いて来る声が何処か苦しそうにも聞こえる。恐らく抑え続けられる時間も余りなさそうだ。
「銀さん?」
「お前ら、あの動き回ってる腕をどうにか止めておけるか?」
「え? 一体何をするつもりなんですか銀さん?」
「説明し
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