ペルソナ3
2008話
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俺じゃなくてグリだろ?」
「うむ、そう言われればそうだな。では、グリが戻ってきたらそうさせて貰おう」
俺の言葉に嬉しそうにしたのは、美鶴もグリに乗りたいと思っていたからか?
いやまぁ、飛行機とかそういうのではなく、生身の力で空を飛ぶというのは、色々とロマンはあるのだろうが。
「ほら、戻ってきたし、行ってきたらどうだ?」
ゆかりを背中に乗せたグリが戻ってくるのを見てそう言うと、美鶴は頷いて地上に降下してきたグリの方に向かっていく。
……ペンテレシアは別に空を飛ぶようなペルソナではないが、それでもいざという時には何とか出来るだろう。
まぁ、それこそ本当にどうしようもなかったら、俺が助けに行けばいいだけだし。
「アルマーさん! 僕にも、僕にも乗らせて下さい!」
美鶴がグリと交渉して背中に乗せて貰い、空に向かって飛び立った後、今度は天田がそう言ってくる。
基本的には大人びている天田だったが、それでもやっぱり子供っぽいところはしっかり残っているのだろう。
もっとも、それを言うならゆかりや美鶴だってグリに乗せて貰ったんだし、真田も興味深そうに空を飛ぶグリを見ているのだから、結局のところグリの存在は大人云々は関係ないと言ってもいいのかもしれないが。
「美鶴にも言ったが、頼むなら俺じゃなくてグリに直接頼め。きちんと頼めば、グリもしっかりと乗せてくれると思うぞ」
「いや、おいアルマー。本当にいいのか? 天田のような子供をグリ、だったか? あいつの背中に乗せて……」
心配そうに声を掛けてきたのは、天田の保護者役を務めている荒垣だ。
荒垣にしてみれば、もし万が一という時の事を考えると、安心してグリに乗せる事が出来ないのだろう。
「そんなに心配なら、天田だけじゃなくて荒垣も一緒に乗ったらどうだ?」
そう言うも、荒垣は微妙に嫌そうな表情を浮かべる。
だが、俺の言葉を聞いた天田は、荒垣に期待の視線を向けた。
この2人、実は結構仲が良いのか?
いやまぁ、荒垣が天田の面倒を見る形となっている以上、当然のように2人は接する機会が増える。
ましてや、荒垣は何だかんだと面倒見も良い。
そうである以上、天田が自分の世話を焼いてくれる荒垣に好意を持つのはそうおかしな話ではないだろう。
……真相を知っている俺にしてみれば、色々と危うい関係のようにも思えるが。
「ちっ、しょうがねえな。分かったよ」
そう言いながら、荒垣は俺に責めるような視線を向けてくる。
お前が余計な事を言ったから、こんな目に遭ってるんだと。……そう言いたいのだろう。
それでも本当に嫌なのであれば、そう言うだろうし……そう考えれば、そこまで無茶な話という訳でもないといったところか。
「ああ、なら
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