ペルソナ3
2008話
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「アクセル、本当に大丈夫なのか?」
美鶴が俺の近くにやって来てそう尋ねるが、俺はそれに当然と頷きを返す。
あの様子を見る限り、グリはゆかりをそれなりに認めている。
……純粋なドラゴンという訳ではないが、グリも歴としたドラゴンの一種であるのは間違いない。
亜竜とか、そういう風に言われるタイプだが。
それでも、グリが認めたという事は、余程の事がない限り、ゆかりの安全は保証されたと言ってもいい。
いやまぁ、元は確かに亜竜だったのだろうが、俺の血を飲んだ影響でかなり力を増大させているのは、間違いないだろうが。
「それに、何かあってもゆかりの場合は自分で何とか出来るだろうしな」
ペルソナチェンジという特殊なスキルを使いこなす有里や、非常に高い潜在能力を持つペルソナを操る荒垣やコロマル。それ以外の面々も、取りあえず1対1――ペルソナも入れると2対2と言うべきか――でゆかりに勝つのは不可能だし、実際に模擬戦でそれは証明されている。
そんなゆかりのイオは、空を飛ぶ能力を持っているペルソナだ。
……まぁ、そうでもなければ巨大な牛の頭蓋骨が移動出来る筈もないのだが。
それこそ、エアカーか何かのように空中を移動するイオは、歩いている訳でもないので、音が出ない。
いや、かなり高速で移動すれば、牛の頭蓋骨の部分に空気が共鳴して音が出るらしいのだが、普通の速度で飛んでいる分にはその辺りは全く関係がなかったのだ。
どこぞの世界で、電気自動車は走っている時に音がしないので、意図的に走行音を出すようにしたとか何とか、何かで聞いた覚えがあったが、恐らくそんな感じなのだろう。
ともあれ、空を飛べるゆかりのイオを考えると、グリの背中から落ちるような心配はしなくてもいい。
「少し、羨ましいな」
「ん? 何がだ?」
美鶴の口から出たのは、俺が予想もしていなかった言葉だ。
だからこそ、どうしたのかと疑問に思う。
実際、何故美鶴がゆかりを羨ましがるのか、その理由が分からなかったというのも大きいし。
だが、そんな美鶴の言葉は自分でも知らないうちに出ていた独り言だったのだろう。
寧ろ俺に聞かれた事を驚くように、慌てたような美鶴の視線が俺に向けられる。
「い、いや。何でもない。ただ、ちょっとな」
そんな慌てた様子の美鶴に、取りあえずこれ以上突っ込んだ話をすると不味いかと判断し、それ以上の追求はしない。
「……より、ずっとはやーい!」
何だかゆかりからそんな声が聞こえてきたが、グリに乗っているだけあって、俺の耳でもその言葉を完全に聞き取るのは不可能だった。
「……アクセル。もしよかったら、次は私をグリに乗せてくれないか?」
「まぁ、それは別に構わないが……それを聞くのなら、
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