ペルソナ3
2008話
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難しいところだが、その辺りはどうにかする必要がある。
そんな2匹の様子を見ているのは、当然のように俺だけではない。
ゆかり達も含め、その場にいる全員が息を呑んで見守っていた。
そして……最初に動いたのは、グリ。
「ギャアア」
「……」
刈り取る者に対し、前足を伸ばす。
これで勢いよく前足を伸ばしたのであれば、それは攻撃を仕掛けようとした……と、そう思われても仕方がないだろう。
だが、幸いと言うべきか、グリは前足をゆっくりと伸ばしたにすぎない。
結果として、刈り取る者はそんなグリの反応に対して極端な事はせず、ただ、じっくりとグリの様子を見ていた。
「グギャア?」
どうしたの? と、小首を傾げるグリ。
大きな身体をしているだけに、そのような行為をしてもそんなに可愛くない……と思いきや、意外な程にグリの仕草は愛らしい。
そんな愛らしさに負けたのか、それとも単純にこのままでは話が進まないと考えたのか……ともあれ、刈り取る者が右手に持っていた拳銃を左手に持ち――二丁拳銃なので、何かあった時の反応は間違いなく悪くなる――グリに手を伸ばす。
そうしてお互いの手が触れあい……やがて、それで何か理解しあったのか、そっと手を離すと、刈り取る者は俺の方に近づいてきて、俺を一瞥してから影の中に消えていく。
「成功した、のか?」
この顔合わせが成功したのかどうか、正直なところ、俺には分からない。
だが、こうして何事もなく終わったところを見ると、やはり無事に成功したと、そう思ってもいいのだろう。……でなければ、俺も色々と面倒な事になりそうな気がするし。
「ね、ねぇ。アクセル。その……グリに乗って空を飛んでみたいんだけど、いいかな?」
「ん? ああ、グリに頼んでみろよ。もしグリが構わないようなら、普通に乗せてくれると思うぞ」
ゆかりにそう言葉を返す。
するとその言葉を聞いたゆかりは、早速グリの方に向かって走っていき、何かを話し掛けた。
そのまま1分程……やがて、グリは地面に伏せる。
それが何を意味しているのかは、容易に想像出来た。
実際、ゆかりはそんなグリの背中に上っていったのだから。
へぇ……グリに頼んでみればいいとは言ったが、まさか本当にそれを成功させるとはな。少し驚きだ。
まず最初にグリに乗ったのは、頼んだゆかり。
もっとも、グリの大きさから考えれば、それこそ数人を乗せるのは難しくはないんだが。
だが、幾らグリが人懐っこいからといって、まだ背中に乗って空を飛ぶ程に気を許せるかと言えば、ゆかり以外の連中にとってはそうでもないんだろう。
……それでも、グリに乗って空を飛ぼうとしているゆかりに、皆が興味深い目を向けているのはある意味で当然なのだろうが。
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