天使のような子のライブを見に行った
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、今は南さんのことだ。流石に刺激が強すぎたかなとちょっと反省。でも、不思議なことに後悔はしていない。寧ろこれで良かったと思っている。でも、南さんには今度謝らないとな。
「……お前、ことりちゃんのこと好きだろ?」
「……やっぱりバレてたか」
「いや、バレバレだっつの」
俺、そんな分かりやすいかなぁ。これでも隠していたつもりではあるんだけど。
「まあとやかく言うつもりはないけどさ、これだけ、これだけは言っとく」
「……?」
「ことりちゃんを泣かせるような真似をしたら、俺が、そしてことりちゃんのファンが許さないからな。その時は蒼矢をぶっ飛ばしに行く」
いつになく真剣な様子の翔真。
俺を見据える目。酷く冷たい声。その要素から、冗談で言ってるのではなく本気で言っていることが分かった。
「……分かってるさ。というか俺達付き合ってないぞ」
「仮に付き合ったらの話だよ。ま、俺を含めたファンにとっては振られるのが一番だけどな」
「……仰る通り」
──でも、折角恋をしたんだ。出来ることなら南さんと付き合いたいし、恋人がするようなこともしてみたい。それを叶える為には、色々努力しないといけないな。
「よっしゃ、俺達もそろそろ帰ろうぜ。そうだ、ラーメン食べに行こう! 奢ってやるよ」
「マジかよ、翔真もたまには粋なことするんだな」
「まあな、今日は何かと気分がいいからさ」
「そっか。それじゃ遠慮せずいただきまーす」
もう一度、帰宅する人の列に並び直した俺達。
窓の外を見ると、そこには東京の夜景が広がっていた。いつの間にか日没していたようだ。時刻は午後7時を回った頃。夕食には良い時間帯だ。
改めて、今日のライブのことを思い出す。南さんにも言ったけど、本当に最高だった。これを機にスクールアイドルオタクになってみようかなと考えるくらいには。
もう少し早くμ'sを知っていれば良かった。今後も、μ'sのライブには足を運んでみよう。
そう、心の中で密かに決心する俺であった。
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