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天使のような子に恋をした
天使のような子のライブを見に行った
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かった。それだけだったらまだいいのだが、果てにはCDやDVDで十分だろうと思っており、ライブに行くなど金の無駄とさえ考えていた。

 ──だが、それは間違っていた。

 会場に広がる歓声と熱気。ステージに響く音楽の生の重低音。観客とアーティストが一体になり、盛大に盛り上がる会場。アーティストがすぐ目の前に存在する事実。どれをとってもCDやDVDでは体感することができない。ライブに行くのは金の無駄だと考えていた昔の俺が恥ずかしい。ライブというのは十分金を払う価値があるものだ。

 ──そんな俺は今、ライブの真っ只中。

 特徴的なイントロから始まり、そこから一気に盛り上がっていく。そんなEDM──エレクトロニック・ダンス・ミュージック──のような曲調の歌を歌っているのはあのA-RISE。彼女達のライブは動画で何回か見たことがあったが、やはり動画と生じゃ全然違う。

 圧倒的なカリスマを放つ綺羅(きら)ツバサと、クールビューティな統堂(とうどう)英玲奈(えれな)。2人とは対照的にゆるくふわふわした優木(ゆうき)あんじゅ。一見混ざり合わなそうな3人だが決してそんなことはなく、物の見事に調和している。

 ──そのオーラが、空気が、俺達観客を突き抜く。彼女達がスクールアイドルだということを忘れるほど、A-RISEのパフォーマンスに圧倒されていた。

 そう、これはプロのアイドルじゃない。あくまでもスクールアイドルなんだ。まさかスクールアイドルがここまでだとは。ちょっと前の俺に言っても信じないだろう。

『ありがとうございました!』

 曲が終わり、俺達観客へと挨拶をするA-RISEの3人。一言で表せば、ただただ凄かった。元からA-RISEは凄いとは分かっていたが、今日改めてその凄さを実感した。

「ツバサさーん! 英玲奈さーん! あんじゅちゃーん! うおー!」

 隣から我が親友の悲鳴に似た声が聞こえてくる。かなり盛り上がって楽しんでいる様子。少しはしゃぎすぎじゃないかと思ったけど、翔真に限らず他の観客も同じくらいに盛り上がっている。ライブではこれが普通なのだろう。

「……テンション高いな」

「当たり前だろ! A-RISEの3人がこんな近くにいるんだぞ! これでテンション低くてどうする!?」

「お、おう」

 前述した通り、生ライブはこれが初となる俺。そんなことがあって、いまいち楽しみ方というか、盛り上がり方がよく分からないんだよなぁ。

「ま、お前もすぐに分かるさ。次、μ'sだぞ」

「……言われなくても分かってるよ」

 本命。というかこの為だけにライブに来たと言ってもいいくらい。まあ、トップスクールアイドルのパフォーマンスを見れたから一石二鳥なんだけど。

 ──そう、A
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