暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第107話 魔剣カオス
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だけど、魔人や魔王を置いといて 全員で向かうのは配置的に効率悪いと思うんだけど」
「ん」

 ユーリは速度を落とさず止まらず、志津香に返事を直ぐに返した。

「確かに、志津香の言う事も最もだ。アレはワイルドカードみたいなものだからな。動けば即座に戦況が一変する。……が、まだあいつらは動かん」
「その根拠は?」
「明確な根拠はない」
「………」
「頼りないか?」
「ランスが言ってたら速攻でそう言ったかもね。……もういい加減長い付き合い。信じてない訳ないし、頼りないわけないでしょ。でも、明確じゃなくても良いからゆぅの考えが訊きたい」

 ユーリは薄く笑うと自分の考えを話す。それは 魔王と相対した時の状況だった。

「……あいつは『戯れ』と言った。『良き戯れ』とな。人間を舐めきってるのは当然だと思うが、人間で遊んだりする様な魔王じゃ無かった筈なんだ……。だが、確かにそう言った。なら、遊びがあっという間に終わる様な手を打つとは思えない。だから、オレ達がたどり着くまで 待ち構えていそうだ。そして ノスはジルの命令には見てわかる通り絶対。命令が無ければ傍を離れる筈もない。故に ノス―ジルの順に配置されていると推察できる」

 ユーリの説明を一言一句聞き逃さずに頭に入れた志津香は ゆっくりと頷いた。

「確かに不確定要素が多いとは言え、現状を考えたら一番有り得そうな推察ね。謙遜する必要ないと思うわ」
「おう。……だからオレ達は最短・最速で魔王と魔人以外の懸念を払拭する必要がある。……それだけに集中できるようにな」

 ユーリは、剣の柄を軽く持ち上げた。いつでも抜刀できる様に。それを見た志津香も習う様に手に少しの魔力を集中。問題ない事の確認が出来た。

「はぁ。あまり言いたく無いけど ロゼには感謝だわ」
「ま、同感だ。アイツのおかげだ。オレ達がここまで回復出来たのは。……それで、勿論クルック―もだぞ」
「はい。志津香さん。ユーリ独占中にすみません」
「っ……。別に独占なんかしてないわ」
「そうですか。ミリさんがそう言ってましたので」
「…あ、アイツはこんな時まで……っっ」

 背後から忍び寄る様に……いつの間にかクルック―が直ぐ傍にまで来ていた。
 ミリにまた色々吹き込まれた様で、志津香は軽く殺気を撒き散らせていた。

「ユーリに少し話がありまして」
「ん? なんだ」
「この戦いが終わったら、カオスを回収しても良いですか?」

 AL教の神官として やはりバランスブレーカーの回収と言う役割はいつでも何処でも曲げない様子だった。

「今ダメですか? って聞かれるかと思ったよ」
「それは流石に無いです。魔王と魔人が相手なのですから」
「だな。……ま、それについてはオレじゃなくランスに聞いてくれ。ア
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