第3章 リーザス陥落
第107話 魔剣カオス
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主が誰なのか……。
「……そこそこ」
かなみ自身も何処か呆れた様子を見せていた。
ランスは、指さした先に視線を持っていくと、そこには……。
「ほんっと、えらっそーな感じがするのー。黙っときゃーそれなりの男前だろうに。まぁ儂ほどじゃないが」
黒い塊……ではなく、さっきまではランスが手に持っていた物。
「……は?」
珍しくランスもかなり動揺した様だ。二度、三度と向き直し 眼を何度もぱちぱちと瞬きさせていたから。
そう、その声の主は……。
「け、剣?」
「んー? そ、儂。剣」
受け答えをするのも、先ほどからランスに対して辛口コメントを残すのも人ではなく剣。
「しゃ、しゃ、しゃ、喋っただと!? 剣がか!? ってか、これ カオスか?」
「そりゃ喋るともさい。だって儂、剣は剣でも魔剣だし。すごいのよ? 魔人とか斬っちゃうのよ?」
調子よく更に喋り出す魔剣カオスに再びげんなりとさせている面々。ランスは所謂初対面だから 当然驚きが大きいが、その口ぶりと様子に段々と驚きよりも 呆れが入ってきた。かなみが、呆れている様子が大体判った様だ。
「なんだ、馬鹿っぽいぞ、この剣」
「なーにを抜かすか。ノスに手も足も出せなかったへっぽこがー。さっきの顔がガキっぽいにーちゃんの方がよーっぽど頑張っとったってもんだろーが。あー、儂がノスの手チョン斬りたかったのー」
「なんだと貴様! ノスの手も斬れんなまくらが、いい加減な事抜かすなよ! あれは武器の差だ」
「いやいや、儂様ほら、起き抜けだったし? 眼が本格的に覚めてからばっちりパワーだすつもりだったの」
「適当な事抜かすんじゃない!!」
2人? の喧嘩が始まった。
皆 初対面した時は、何処となくこの魔剣カオスはランスに似ている様な気もする、と誰もが思ったのだが、互いに言い合ってる姿を見てそれが間違いなかった、と改めて実感していた。
「はぁ…… えと、カオス? 今ユーリさんがいないから良かったものの…… またそんな暴言いってたら 水責めされた挙句今度こそ封印されてるかもしれないのよ? 判ってる?」
「うひゃいっ!! わ、儂なーーんにも言ってないぞーーっ!」
「……言って、ましたよね?」
「何をー、きっと幻聴幻聴。なー、もこもこピンクちゃん?」
かなみが言う暴言……と言うのは、当然ながら『顔がガキっぽい』の部分だ。
「何だこの馬鹿剣。急に怯えだして」
「あ、あははは。ランス様。このカオスさんが さっきの調子でユーリさんに…… その……」
シィルがそこまで言った所で速攻で把握。この手の話を理解する頭の回転は異常に速い。
「がーーーっはっはっは!! 剣にまでイラつくとは、それこそが証拠と言う
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