異伝〜終焉に諍う英雄達の来訪〜第4話
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匠王”っていう存在の娘さん達は今もクロスベルにいるんですか?」
「いるもなにも今のあの娘達はこのクロスベルの”工匠特区”の開発顧問として、クロスベルにとっての重要人物達よ?」
苦笑しながら答えたリンの話を聞いて訊ねてきたユウナの質問にミシェルはユウナ達にとって驚きの情報を口にした。
「”工匠特区”、ですか……?」
「その方達が”開発顧問”と呼ばれている事からして、恐らくクロスベルのどこかの区域をその”工匠”という存在が集中している区域へと開発しているのでしょうか?」
「あら、中々察しがいいわね。――――”工匠特区”は”工匠”をゼムリア大陸にも広げる為に作られた開発区域の事でその区域は旧市街に当たる場所なんだけど、旧市街の人達は”匠王”の娘達が設立した会社―――”インフィニティ”とあの娘達の故郷である”工匠都市ユイドラ”の援助や教育のお陰で”工匠”になる事で、以前とは比べものにならないくらい豊かな暮らしをしているわ。」
「まあ、そもそも”工匠”自身、セティ達を除けばゼムリア大陸に存在しなかったからね。その事から、ゼムリア大陸で唯一の”工匠”達が集まっている区域としても有名な場所で、その”工匠”達が作った商品を目的にした各国の商人達がクロスベルを訪れている影響でかつてクロスベル政府の頭を悩ましていた旧市街は今じゃクロスベルの発展や経済の一端を担う区域へと成長しているのさ。」
「………………………」
”工匠特区”の事を知り、クルト達と共に冷や汗をかいて表情を引き攣らせたユウナは驚きのあまり口をパクパクさせ
「今までの話を聞いて改めて思ったがエレボニアもそうだが、こちらの世界ではクロスベルが一番状況が変わっている気がするな………」
「ふふっ、まず”自治州”だったクロスベルが独立をするどころかエレボニアをも超える大国へと成りあがるなんて、普通は誰も想像できませんもの。」
我に返って疲れた表情で溜息を吐いたクルトにミュゼは苦笑しながら指摘した。
「ちなみにユイドラはメンフィルのように様々な種族が協力して成り立っている都市でもあってね………ユイドラがそうなったのも領主である”匠王”が領主になるまでの間に数多くの異種族達と親交を深めた事のお陰らしいわ。その証拠に”匠王”の伴侶の大半は異種族で、さっきの話に出て来た”匠王”の娘達はそれぞれエルフ族に天使族、そして睡魔族……と言ってもわからないでしょうから簡単に説明すれば悪魔の一種の種族の母親から生まれた人間と異種族のハーフの子供達よ。」
「クロスベルは光と闇が混在している事から”魔都”とも呼ばれていたそうですが………その時以上のカオスな状況になっているのではないでしょうか?」
「ああ………まさにその名の通り”光と闇の帝都”だな。」
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